学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ H. 精神科疾患 / Q1473

理由で解く 臨床医学各論

Q1473 その他の領域

出典:鍼灸 第9回(2001) 問題75
問題
うつ病の症状でないのはどれか。
選択肢
1 知能障害
2 不眠
3 意欲の欠如
4 自殺念慮
解答
正解1(知能障害)
解説
✓ 1. 誤り
知能障害
うつ病では知能障害(知的機能の低下)はみられない。うつ病では思考の制止(考えがまとまらない)や集中力の低下はあるが、これは一時的な機能低下であり寛解すれば正常に回復する。意識障害、著明な記憶障害や知能障害を呈することはない。知能障害は認知症や器質性精神障害の特徴であり、うつ病とは明確に区別される。
✗ 2.
不眠
✗ 正しい。不眠はうつ病の代表的な身体症状であり、特に早朝覚醒(通常より2〜3時間早く目が覚める)が特徴的である。入眠困難や中途覚醒も認められる。睡眠障害はうつ病の9つの診断基準症状の一つに含まれており、ほとんどの患者で認められる。
✗ 3.
意欲の欠如
✗ 正しい。意欲の低下・欠如はうつ病の中核症状の一つである。何事にも興味がわかず、以前楽しめたことができなくなる。仕事や家事ができない、身だしなみに気を使えないなど日常生活に大きな支障をきたし、「精神運動抑制」の一つの現れである。
✗ 4.
自殺念慮
✗ 正しい。自殺念慮(死にたいという考え)はうつ病の重大な症状であり、常に注意が必要である。特に抑うつ気分は改善したが意欲がまだ低下している回復期に自殺のリスクが最も高まる。うつ病患者の約15%が自殺で死亡するとされ、厳重な観察と支援が必要である。
ポイント
  • うつ病では知能は保たれ、意識障害や記憶障害も生じない。思考制止や集中力低下は一時的であり、寛解すれば回復する。
  • うつ病と認知症の鑑別が重要であり、うつ病による「仮性認知症」との鑑別も臨床上必要である。
  • うつ病の診断には9つの症状のうち5つ以上が2週間以上持続することが基準となる。
  • 重要用語: うつ病、知能障害なし、不眠(早朝覚醒)、意欲低下、自殺念慮 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 うつ病 認知症
知能 保たれる 進行性に低下
記憶 ほぼ保たれる 著明に低下
意欲 著明に低下 低下
意識 清明 清明(末期に障害)
経過 可逆的(寛解あり) 不可逆的・進行性
解説画像
鍼灸 第9回(2001) 問題75|うつ病の症状でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第9回(2001) 問題75|うつ病の症状でないのはどれか。
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