学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ B. 一般外科 / Q1332

理由で解く 臨床医学各論

Q1332 その他の領域

出典:鍼灸 第9回(2001) 問題76
問題
熱傷について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 第1 度は表皮のみの損傷である。
2 第2 度では水疱を生じる。
3 第3 度では皮膚移植が必要となる。
4 低温熱傷は治りやすい。
解答
正解4(低温熱傷は治りやすい)
解説
✗ 1.
第1 度は表皮のみの損傷である。
✗ 正しい。I度熱傷は表皮基底層と真皮乳頭層の炎症にとどまる損傷であり、も「受傷部皮膚の発赤のみ、浮腫・疼痛を伴う」が水疱は形成しない。数日で炎症が消退し、瘢痕を残さず治癒する。日焼けがI度熱傷の典型例である。
✗ 2.
第2 度では水疱を生じる。
✗ 正しい。II度熱傷は真皮に達する損傷であり、水疱形成が特徴的な所見である。は浅達性II度(真皮網状層中層まで、1~2週間で上皮化)と深達性II度(真皮網状層下層まで、3~4週間で上皮化、肥厚性瘢痕を残す)が記載されている。
✗ 3.
第3 度では皮膚移植が必要となる。
✗ 正しい。III度熱傷は皮膚全層の凝固壊死であり、II度熱傷でも広範囲に及ぶ場合とIII度熱傷では、手術療法、すなわち壊死組織を除去し植皮による創閉鎖を原則とする。自然上皮化は困難であるため、植皮術が必要となる。
✓ 4. 誤り
低温熱傷は治りやすい。
低温熱傷は治りやすいという記述は誤りである。低温熱傷は湯たんぽやカイロなど比較的低温(44~50℃程度)の熱源に長時間接触することで生じるが、表面の変化は軽度に見えても長時間の熱作用により深部まで損傷が及んでいることが多い。実際にはII度深達性~III度に相当し、治りにくい。見た目に反して重症であることが臨床上の重要な注意点である。
ポイント
  • 低温熱傷は見た目と実際の深達度に乖離があり、深部まで損傷が及んでいるため治りにくい点が臨床上の落とし穴である。
  • 熱傷の深達度はI度(発赤のみ)→ II度(水疱形成)→ III度(皮膚全層壊死、蒼白・無痛)と重症度が上がる。
  • III度熱傷は自然上皮化が困難であり、壊死組織を除去して植皮術で創閉鎖することが治療の原則である。
  • 重要用語: 低温熱傷、深達度分類、植皮術、水疱形成 を正確に理解しておくこと。
比較表
熱傷深達度 損傷レベル 臨床症状 治療
I度 表皮のみ 発赤、水疱なし 保存的治療
浅達性II度 真皮中層まで 水疱、強い疼痛 軟膏療法
深達性II度 真皮下層まで 水疱、知覚鈍麻 軟膏療法~植皮
III度 皮膚全層~皮下 蒼白・乾燥、無痛 壊死組織除去+植皮
解説画像
鍼灸 第9回(2001) 問題76|熱傷について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第9回(2001) 問題76|熱傷について誤っている記述はどれか。
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