学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ H. 精神科疾患 / Q1467

理由で解く 臨床医学各論

Q1467 その他の領域

出典:あマ指 第1回(1993) 問題94
問題
躁うつ病で誤っているのはどれか。
選択肢
1 精神分裂病に比べて予後不良である
2 病前性格は循環気質である
3 うつ状態は日内変動がみられる
4 うつ病患者は自殺を考えることが多い
解答
正解1(精神分裂病に比べて予後不良である)
解説
✓ 1. 誤り
精神分裂病に比べて予後不良である
躁うつ病(双極性障害)は精神分裂病(統合失調症)に比べて予後は良好であり、予後不良という記述は誤りである。躁うつ病は病相期と寛解期を繰り返すが、寛解期には病前の人格水準に回復し残遺状態を呈さない。一方、統合失調症は慢性に経過し人格の変化や社会機能の低下を来しやすく、予後は比較的不良である。
✗ 2.
病前性格は循環気質である
✗ 正しい。躁うつ病の病前性格はクレッチマーの分類で循環気質(社交的、善良、親切で人情味があり、気分の波がある性格)とされる。循環気質は肥満型の体型と関連し、躁うつ病の素因となる性格特性として知られている。
✗ 3.
うつ状態は日内変動がみられる
✗ 正しい。うつ状態では典型的な日内変動(diurnal variation)がみられ、朝方に抑うつ気分が最も強く、午後から夕方にかけて軽減する傾向がある。この日内変動は内因性うつ病の特徴的な症状であり、生物学的な診断の手がかりとなる。
✗ 4.
うつ病患者は自殺を考えることが多い
✗ 正しい。うつ病患者は希死念慮(死にたいという考え)を抱くことが多く、自殺企図のリスクが高い。特に抑うつ気分は改善したが意欲がまだ低下している回復期に自殺のリスクが最も高まるため、厳重な注意と観察が必要である。
ポイント
  • 躁うつ病は統合失調症に比べて予後良好であり、寛解期に人格が保たれるが、統合失調症は人格変化を伴いやすい。
  • 躁うつ病の病前性格は循環気質であり、統合失調症の分裂気質と対比される。
  • うつ病の日内変動(朝悪化、夕方軽減)は診断の重要な手がかりであり、早朝覚醒とともに生物学的症状として重視される。
  • 重要用語: 躁うつ病、統合失調症、循環気質、日内変動、希死念慮 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 躁うつ病 統合失調症
病相 反復性(躁・うつ・寛解) 慢性進行性
人格変化 寛解期に保たれる 人格変化あり(残遺状態)
予後 比較的良好 比較的不良
病前性格 循環気質 分裂気質
好発年齢 20代後半〜30代 思春期〜青年期
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題94|躁うつ病で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題94|躁うつ病で誤っているのはどれか。
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