学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ G. 耳鼻科疾患 / Q1448

理由で解く 臨床医学各論

Q1448 その他の領域

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題78
問題
「40歳の女性。3か月前から歩行時のふらつき、めまいが出現した。また、2か月前から左の難聴、耳鳴りと左顔面の感覚が鈍いことを自覚している。四肢の筋力低下はない。」最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 メニエール病
2 突発性難聴
3 聴神経腫瘍
4 脊髄空洞症
解答
正解3(聴神経腫瘍)
解説
✗ 1. 誤り
メニエール病
メニエール病は反復する回転性めまい発作と変動性の感音難聴、耳鳴りが三主徴であるが、顔面の感覚障害はみられない。また3か月にわたって緩徐に進行する経過はメニエール病の発作性・反復性の経過とは異なる。
✗ 2. 誤り
突発性難聴
突発性難聴は突然発症する一側性の高度感音難聴であり、3か月にわたって緩徐に進行する経過は突発性難聴の急性発症という特徴に合致しない。また顔面感覚障害を伴わない。
✓ 3. 正しい
聴神経腫瘍
歩行時のふらつき・めまい・左難聴・耳鳴り・左顔面感覚鈍麻が3か月にわたって緩徐に進行する所見は、小脳橋角部に発生する聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)に最も合致する。聴神経腫瘍は第VIII脳神経(内耳神経)から発生する良性腫瘍で、腫瘍の増大に伴い隣接する三叉神経(第V脳神経)や小脳を圧迫し、顔面感覚障害や小脳症状を呈する。
✗ 4. 誤り
脊髄空洞症
脊髄空洞症は脊髄中心管周囲に空洞が形成される疾患であり、温痛覚の解離性感覚障害や上肢の筋萎縮が特徴である。聴力障害や顔面感覚障害は脊髄の病変では説明がつかない。
ポイント
  • 一側性の難聴・耳鳴り・めまい・顔面感覚障害が緩徐に進行する場合は聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)を疑う。第VIII脳神経から発生する良性腫瘍である。
  • メニエール病は発作性・反復性で顔面感覚障害はなく、突発性難聴は急性発症である。鑑別の要点は「発症経過」と「随伴症状」にある。
  • 聴神経腫瘍は腫瘍増大に伴い隣接する三叉神経(第V)、顔面神経(第VII)、小脳を圧迫し多彩な神経症状を呈する。
  • 重要用語: 聴神経腫瘍, 前庭神経鞘腫, 小脳橋角部, メニエール病との鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 発症経過 難聴 めまい 顔面感覚障害
聴神経腫瘍 緩徐進行 感音性(進行性) 浮動性 あり(三叉神経圧迫)
メニエール病 発作性・反復性 感音性(変動性) 回転性(反復) なし
突発性難聴 急性発症 感音性(突発性) 一回性 なし
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題78|「40歳の女性。3か月前から歩行時のふらつき、めまいが出現した。また、2か月前から左の難聴、耳鳴りと左顔面の感覚が鈍いことを自覚している。四肢の筋力低下はない。」最も考えられる疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題78|「40歳の女性。3か月前から歩行時のふらつき、めまいが出現した。また、2か月前から左の難聴、耳鳴りと左顔面の感覚が鈍いことを自覚している。四肢の筋力低下はない。」最も考えられる疾患はどれか。
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