学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ G. 耳鼻科疾患 / Q1447

理由で解く 臨床医学各論

Q1447 その他の領域

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題77
問題
「40歳の女性。3か月前から歩行時のふらつき、めまいが出現した。また、2か月前から左の難聴、耳鳴りと左顔面の感覚が鈍いことを自覚している。四肢の筋力低下はない。」この患者でみられないのはどれか。
選択肢
1 指鼻試験は拙劣である。
2 つぎ足歩行は不能である。
3 角膜反射は消失する。
4 深部腱反射は亢進する。
解答
正解4(深部腱反射は亢進する。)
解説
✗ 1.
指鼻試験は拙劣である。
✗ 正しい。本症例では歩行時のふらつきがみられ、小脳橋角部の病変による小脳障害が示唆される。小脳障害では協調運動障害が生じるため、指鼻試験は拙劣(測定障害)となる。この所見はみられると考えられる。
✗ 2.
つぎ足歩行は不能である。
✗ 正しい。小脳障害ではバランス障害が生じるため、つぎ足歩行(タンデム歩行)は不能となる。歩行時のふらつきは小脳失調を反映しており、この所見はみられると考えられる。
✗ 3.
角膜反射は消失する。
✗ 正しい。左顔面の感覚鈍麻があることから三叉神経(第V脳神経)の障害が示唆される。三叉神経は角膜反射の求心路を形成するため、三叉神経障害により角膜反射は消失する。この所見はみられると考えられる。
✓ 4. 誤り
深部腱反射は亢進する。
深部腱反射の亢進は上位運動ニューロン(錐体路)障害の所見である。本症例では四肢の筋力低下がなく錐体路障害は示唆されないため、深部腱反射の亢進はみられない。小脳橋角部の腫瘍(聴神経腫瘍)では小脳症状・聴神経障害・三叉神経障害がみられるが、錐体路症状は通常出現しにくい。
ポイント
  • 一側性の難聴・耳鳴り・めまい・顔面感覚障害が緩徐に進行する場合は小脳橋角部の病変(聴神経腫瘍)を考える。
  • 小脳症状(協調運動障害:指鼻試験拙劣、つぎ足歩行不能)や三叉神経障害(角膜反射消失)はみられるが、錐体路障害の所見(深部腱反射亢進、病的反射)は通常みられない。
  • 深部腱反射亢進は上位運動ニューロン(錐体路)障害の所見であり、四肢の筋力低下がない本症例では認められない。
  • 重要用語: 小脳橋角部, 聴神経腫瘍, 小脳失調, 三叉神経, 深部腱反射 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 本症例でみられるか 関連する障害部位
指鼻試験拙劣 みられる 小脳障害
つぎ足歩行不能 みられる 小脳障害
角膜反射消失 みられる 三叉神経障害
深部腱反射亢進 みられない 錐体路障害(本例では障害なし)
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題77|「40歳の女性。3か月前から歩行時のふらつき、めまいが出現した。また、2か月前から左の難聴、耳鳴りと左顔面の感覚が鈍いことを自覚している。四肢の筋力低下はない。」この患者でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題77|「40歳の女性。3か月前から歩行時のふらつき、めまいが出現した。また、2か月前から左の難聴、耳鳴りと左顔面の感覚が鈍いことを自覚している。四肢の筋力低下はない。」この患者でみられないのはどれか。
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