学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ D. 婦人科疾患 / Q1388

理由で解く 臨床医学各論

Q1388 その他の領域

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題70
問題
乳癌について正しいのはどれか。
選択肢
1 腫瘤は痛みを伴う。
2 乳房の外下部の発生が多い。
3 多くはホルモン依存性である。
4 乳房全摘術が第一選択である。
解答
正解3(多くはホルモン依存性である)
解説
✗ 1. 誤り
腫瘤は痛みを伴う。
乳癌の腫瘤は通常無痛性であり、痛みを伴うことは少ない。「腫瘤を触れる」とのみ記載されており、疼痛の記載はない。硬くて境界不明瞭な無痛性腫瘤が特徴的である。痛みを伴う場合は乳腺症(良性)の可能性が高い。ただし一部の炎症性乳癌では疼痛を伴うことがある。
✗ 2. 誤り
乳房の外下部の発生が多い。
乳癌は乳房の外上部(C領域)に最も多く発生し(約50%)、外下部ではない。乳腺組織が最も密に分布する部位に一致して発生頻度が高い。好発部位の順は外上部>内上部>外下部>内下部>乳輪部である。腋窩リンパ節への転移が多いのも外上部に近い解剖学的位置と関連する。
✓ 3. 正しい
多くはホルモン依存性である。
乳癌の約70%はエストロゲン受容体(ER)陽性でホルモン依存性である。手術が基本である。抗癌薬、ホルモン薬を使用することもある、ホルモン療法の有効性が示されている。ER陽性の乳癌にはホルモン療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬など)が有効であり、乳癌のリスク因子として肥満や閉経年齢55歳以上などが挙げられるのもエストロゲンとの関連による。
✗ 4. 誤り
乳房全摘術が第一選択である。
乳房全摘術が全例の第一選択というわけではない。早期乳癌では乳房温存手術+放射線療法が標準治療として広く行われている。手術が基本である。が、手術法は腫瘍の大きさ・位置・個数により決定される。
ポイント
  • 乳癌の約70%はホルモン依存性(ER陽性)であり、ホルモン療法が有効である。
  • 腫瘤は通常無痛性で硬く、好発部位は外上部(C領域、約50%)である。
  • 早期乳癌では乳房温存手術が可能であり、全摘術が常に第一選択ではない。
  • 重要用語: ホルモン依存性、エストロゲン受容体、外上部好発、乳房温存手術 を正確に理解しておくこと。
比較表
特徴 乳癌 乳腺症
腫瘤の性状 硬い・境界不明瞭 弾性・境界やや不明瞭
疼痛 通常無痛 月経前に疼痛あり
好発年齢 45〜50歳 30〜50歳
乳頭分泌 血性分泌あり 漿液性・乳汁様
エストロゲン ER陽性が多い エストロゲン過剰
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題70|乳癌について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題70|乳癌について正しいのはどれか。
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