学習トップ理由で解く 臨床医学各論第12章 ▸ A. リウマチ性疾患 / Q1263

理由で解く 臨床医学各論

Q1263 リウマチ性疾患・膠原病

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題75
問題
「48歳の女性。2年前、左手のこわばりがみられ、その後、近位指節間関節から始まる左指の関節痛と腫れが生じ、さらに右指の関節も痛みだした。現在では、両側の手・膝関節にも関節炎がみられる。光過敏や嚥下障害はない。」本疾患で陽性となるのはどれか。
選択肢
1 リウマトイド因子
2 LE 細胞
3 抗 Jo-1 抗体
4 抗トポイソメラーゼ I 抗体(抗 Scl-70 抗体)
解答
正解1(リウマトイド因子)
解説
✓ 1. 正しい
リウマトイド因子
本症例は48歳女性で朝のこわばり、PIP関節から始まる左右対称性の多関節炎という典型的な関節リウマチの臨床像を示している。関節リウマチの診断にはリウマトイド因子(RF)の測定が有用であり、約70~80%で陽性となる。RFはIgGのFc部分に対する自己抗体である。
✗ 2. 誤り
LE 細胞
LE細胞は全身性エリテマトーデス(SLE)の所見であり、LE細胞現象で確認される。本症例では光過敏がなく蝶形紅斑の記載もないためSLEは考えにくい。
✗ 3. 誤り
抗 Jo-1 抗体
抗Jo-1抗体は多発性筋炎/皮膚筋炎に特異的な自己抗体(抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体)である。本症例では筋力低下やヘリオトロープ疹などの筋炎症状の記載がない。
✗ 4. 誤り
抗トポイソメラーゼ I 抗体(抗 Scl-70 抗体)
抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼI抗体)は全身性硬化症(強皮症)のマーカーである。本症例では嚥下障害がなく皮膚硬化やレイノー現象の記載もないため強皮症は否定的である。
ポイント
  • 朝のこわばり・PIP関節から始まる対称性多関節炎は関節リウマチの典型的臨床像であり、リウマトイド因子が診断に有用である
  • 各膠原病の特異的自己抗体を確実に覚えることが重要:RA=リウマトイド因子、SLE=LE細胞・抗核抗体、皮膚筋炎=抗Jo-1抗体、強皮症=抗Scl-70抗体
  • 症例文中の「光過敏がない」「嚥下障害がない」などの否定的情報は、SLEや強皮症を除外するための重要な手がかりである
  • 重要用語: リウマトイド因子, 抗Jo-1抗体, 抗Scl-70抗体, LE細胞 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 特異的自己抗体
関節リウマチ リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体
全身性エリテマトーデス 抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Sm抗体
全身性硬化症 抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼI抗体)
多発性筋炎/皮膚筋炎 抗Jo-1抗体
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題75|「48歳の女性。2年前、左手のこわばりがみられ、その後、近位指節間関節から始まる左指の関節痛と腫れが生じ、さらに右指の関節も痛みだした。現在では、両側の手・膝関節にも関節炎がみられる。光過敏や嚥下障害はない。」本疾患で陽性となるのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題75|「48歳の女性。2年前、左手のこわばりがみられ、その後、近位指節間関節から始まる左指の関節痛と腫れが生じ、さらに右指の関節も痛みだした。現在では、両側の手・膝関節にも関節炎がみられる。光過敏や嚥下障害はない。」本疾患で陽性となるのはどれか。
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