学習トップ理由で解く 臨床医学各論第12章 ▸ A. リウマチ性疾患 / Q1258

理由で解く 臨床医学各論

Q1258 リウマチ性疾患・膠原病

出典:あマ指 第32回(2024) 問題77
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「87歳の女性。昨日から右膝痛と38℃の発熱が出現した。右膝関節に熱感、腫脹及び膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で結晶を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。
選択肢
1 偽痛風
2 関節リウマチ
3 膝半月板損傷
4 化膿性膝関節炎
解答
正解1(偽痛風)
解説
✓ 1. 正しい
偽痛風
高齢女性の急性膝関節炎で関節液に結晶が確認されたことから偽痛風が最も可能性が高い。偽痛風はピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶の沈着による急性関節炎であり、膝関節に好発し高齢者に多い。偏光顕微鏡で正の複屈折を示す結晶が確認される。
✗ 2. 誤り
関節リウマチ
関節リウマチは慢性の多関節炎であり、関節液中に結晶は認めない。手指のPIP・MCP関節に対称性に好発し、朝のこわばりが特徴的である。87歳の急性単関節炎で発症するパターンは関節リウマチの典型像とは大きく異なる。
✗ 3. 誤り
膝半月板損傷
膝半月板損傷は外傷や加齢に伴う機械的障害であり、関節液中に結晶は認めない。ロッキング現象やマクマレーテスト陽性が特徴で、38度の発熱を伴う急性発症は典型的でない。
✗ 4. 誤り
化膿性膝関節炎
化膿性膝関節炎も急性の関節炎・発熱・関節腫脹を来すため鑑別が重要であるが、関節液中に結晶ではなく細菌(膿)が認められ、グラム染色や培養で起炎菌が同定される。偏光顕微鏡で結晶が確認されたことから化膿性関節炎は否定的である。
ポイント
  • 偽痛風は高齢者の膝関節に好発する急性関節炎で、CPPD(ピロリン酸カルシウム二水和物)結晶沈着が原因である
  • 偏光顕微鏡で正の複屈折を示す菱形の結晶が確認される(痛風の尿酸結晶は負の複屈折を示す針状結晶)
  • 痛風は中年男性の第1MTP関節に好発し、偽痛風は高齢者の膝関節に好発するという違いを押さえる
  • 化膿性関節炎との鑑別には関節液の培養・グラム染色が重要であり、結晶の有無が鑑別の鍵となる
  • 重要用語: 偽痛風、CPPD結晶、正の複屈折、痛風との鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 偽痛風 痛風 化膿性関節炎
原因 CPPD結晶 尿酸結晶 細菌感染
好発年齢 高齢者 中年男性 全年齢
好発関節 膝関節 第1MTP関節 膝関節など
結晶 正の複屈折(菱形) 負の複屈折(針状) なし
関節液 炎症性 炎症性 膿性(細菌陽性)
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題77|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「87歳の女性。昨日から右膝痛と38℃の発熱が出現した。右膝関節に熱感、腫脹及び膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で結晶を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題77|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「87歳の女性。昨日から右膝痛と38℃の発熱が出現した。右膝関節に熱感、腫脹及び膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で結晶を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。
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