学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ H. 精神科疾患 / Q1464

理由で解く 臨床医学各論

Q1464 その他の領域

出典:あマ指 第32回(2024) 問題62
問題
せん妄について正しいのはどれか。
選択肢
1 若年者に多い。
2 通常は一過性である。
3 日中に好発する。
4 睡眠薬を治療に用いる。
解答
正解2(通常は一過性である)
解説
✗ 1. 誤り
若年者に多い。
せん妄は高齢者に多く、若年者に多い疾患ではない。加齢による脳の脆弱性が背景にあり、認知機能低下、感覚器障害、多剤併用などが危険因子となる。高齢者、特に術後患者や入院患者に多発する。若年者では薬物中毒やアルコール離脱時などに限定される。
✓ 2. 正しい
通常は一過性である。
せん妄は通常一過性の意識障害である。原因(感染症・手術侵襲・薬剤・電解質異常・脱水・低酸素など)が除去されれば数日〜数週間で回復する。急性の注意力・意識レベルの変動が特徴であり、認知症のような慢性・進行性の経過とは異なる。可逆性であることが認知症との重要な鑑別点である。
✗ 3. 誤り
日中に好発する。
せん妄は夜間に好発する(日中ではない)。日没症候群(サンダウニング)とも関連し、夕方〜夜間に症状が増悪する。夜間の暗さや静けさ、疲労の蓄積、概日リズムの乱れなどが要因となる。
✗ 4. 誤り
睡眠薬を治療に用いる。
睡眠薬(特にベンゾジアゼピン系)はせん妄を悪化させる可能性があるため、治療には用いない。原因の除去と環境調整(明るい環境、時計・カレンダーの設置、家族の付き添いなど)が基本である。症状が激しい場合には抗精神病薬(ハロペリドールなど)を少量使用することがあるが、睡眠薬は禁忌である。
ポイント
  • せん妄は急性発症・一過性の意識障害で、原因除去により可逆的に回復する
  • 高齢者、術後患者、入院患者に多く、若年者には少ない
  • 夜間に増悪しやすい(夜間せん妄、日没症候群)
  • 治療は原因除去と環境調整が基本で、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は禁忌
  • 重要用語: せん妄、一過性、可逆性、夜間増悪 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 せん妄 認知症
発症 急性(数時間〜数日) 慢性・潜行性(数ヵ月〜数年)
経過 一過性・変動性 進行性・持続性
意識レベル 変動あり 通常は清明
注意力 著明に障害 比較的保たれる
可逆性 あり(原因除去で改善) なし
日内変動 夜間増悪 比較的一定
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題62|せん妄について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題62|せん妄について正しいのはどれか。
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