学習トップ理由で解く 臨床医学各論第12章 ▸ A. リウマチ性疾患 / Q1256

理由で解く 臨床医学各論

Q1256 リウマチ性疾患・膠原病

出典:あマ指 第28回(2020) 問題71
問題
「63歳の女性。30年前に関節リウマチと診断された。両手の示指、中指にPIP関節屈曲、DIP関節過伸展の変形を認める。」本症例で、食事の際にスプーンが使いにくいと訴えた場合、最も適切な対応はどれか。
選択肢
1 スプーンの柄を太くする。
2 手指の筋力強化訓練を行う。
3 手関節の固定装具を作製する。
4 手指の関節可動域訓練を行う。
解答
正解1(スプーンの柄を太くする)
解説
✓ 1. 正しい
スプーンの柄を太くする。
関節リウマチによる手指変形(ボタン穴変形)でスプーンが使いにくい場合、柄を太くする自助具の工夫が最も適切である。柄を太くすることで握力が弱くても把持しやすくなり、変形した指でもスプーンを安定して保持できる。関節保護の原則に基づき、関節への負担を最小限にしながらADLの自立を維持する考え方が重要である。
✗ 2. 誤り
手指の筋力強化訓練を行う。
関節リウマチでは活動期に無理な筋力強化訓練を行うと関節の炎症を悪化させる恐れがある。30年の罹患歴があり変形が固定した段階では、筋力強化で変形を改善することは困難であり、自助具の工夫によるADL支援が優先される。筋力訓練は寛解期に適切な範囲で行うべきである。
✗ 3. 誤り
手関節の固定装具を作製する。
手関節の固定装具(スプリント)は関節の安静を保つ目的や変形予防には有効であるが、スプーンの使用困難という具体的なADL課題に対しては自助具の工夫が最も直接的な解決策である。固定装具を装着すると手関節の可動性が制限され、かえってスプーン操作が困難になる可能性もある。
✗ 4. 誤り
手指の関節可動域訓練を行う。
30年間の関節リウマチにより変形が固定した関節に対して関節可動域訓練を行っても、変形の改善は期待できない。また無理な可動域訓練は関節周囲の炎症を悪化させ、疼痛を増強する可能性がある。固定した変形に対しては自助具の工夫や環境調整が適切である。
ポイント
  • 関節リウマチのADL支援では「関節保護の原則」が最も重要で、自助具の工夫により関節負担を軽減する
  • スプーンの柄を太くすることで把持力が弱くても安定して使用でき、自立した食事が可能となる
  • 変形が固定した段階では筋力訓練や可動域訓練より、自助具・環境調整によるADL支援が優先される
  • 関節リウマチのリハビリテーションでは、活動期は安静、寛解期に適切な運動療法という原則がある
  • 重要用語: 自助具、関節保護の原則、ADL支援、太柄スプーン を正確に理解しておくこと。
比較表
対応 内容 適応
自助具の工夫 柄を太くする、握りやすい形状 手指変形によるADL障害
固定装具(スプリント) 関節の安静・変形予防 炎症活動期、変形進行予防
関節可動域訓練 関節の柔軟性維持 寛解期、変形未固定の段階
筋力強化訓練 筋力維持 寛解期に適切な範囲で
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題71|「63歳の女性。30年前に関節リウマチと診断された。両手の示指、中指にPIP関節屈曲、DIP関節過伸展の変形を認める。」本症例で、食事の際にスプーンが使いにくいと訴えた場合、最も適切な対応はどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題71|「63歳の女性。30年前に関節リウマチと診断された。両手の示指、中指にPIP関節屈曲、DIP関節過伸展の変形を認める。」本症例で、食事の際にスプーンが使いにくいと訴えた場合、最も適切な対応はどれか。
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