学習トップ理由で解く 臨床医学各論第12章 ▸ A. リウマチ性疾患 / Q1255

理由で解く 臨床医学各論

Q1255 リウマチ性疾患・膠原病

出典:あマ指 第28回(2020) 問題70
問題
「63歳の女性。30年前に関節リウマチと診断された。両手の示指、中指にPIP関節屈曲、DIP関節過伸展の変形を認める。」この手指変形はどれか。
選択肢
1 Z 変形
2 ボタン穴変形
3 槌指変形
4 尺側偏位
解答
正解2(ボタン穴変形)
解説
✗ 1. 誤り
Z 変形
Z変形は母指に特有の変形で、MCP関節の過屈曲とIP関節の過伸展を呈する。示指・中指のPIP関節屈曲+DIP関節過伸展というパターンとは異なり、母指のみに生じる変形である。本症例では示指・中指が侵されているためZ変形には該当しない。
✓ 2. 正しい
ボタン穴変形
PIP関節屈曲・DIP関節過伸展の変形はボタン穴変形(ブートニエール変形)である。関節リウマチによる滑膜炎が進行すると、PIP関節背側の伸筋腱中央索が断裂・弛緩し、PIP関節が屈曲位に固定される。その結果、側索が掌側に転位してDIP関節が代償的に過伸展する。この変形パターンの成り立ちを理解しておくことが重要である。
✗ 3. 誤り
槌指変形
槌指変形(マレットフィンガー)はDIP関節の伸筋腱断裂により、DIP関節が屈曲位に固定された変形である。本症例ではDIP関節が過伸展しているため槌指変形には該当しない。槌指変形は外傷(突き指など)に伴うことが多く、関節リウマチとは病態が異なる。
✗ 4. 誤り
尺側偏位
尺側偏位はMCP関節レベルで手指全体が尺側(小指側)に偏位する変形であり、関節リウマチの手指変形として特徴的だが、PIP・DIP関節の屈曲・過伸展パターンとは別の変形である。尺側偏位は関節包・靱帯の破壊と伸筋腱の尺側への逸脱が原因で生じる。
ポイント
  • ボタン穴変形はPIP関節屈曲+DIP関節過伸展のパターンを示し、中央索断裂が原因で生じる
  • スワンネック変形はボタン穴変形と逆のパターンで、PIP関節過伸展+DIP関節屈曲を呈する
  • Z変形(母指)、尺側偏位(MCP関節)、ボタン穴変形(PIP・DIP関節)は関節リウマチの代表的な手指変形であり、変形部位と方向で区別する
  • 槌指変形は外傷性であり、関節リウマチによる変形とは病態が根本的に異なる
  • 重要用語: ボタン穴変形、スワンネック変形、中央索断裂、Z変形、尺側偏位 を正確に理解しておくこと。
比較表
変形名 変形パターン 原因・機序
ボタン穴変形 PIP屈曲+DIP過伸展 中央索断裂
スワンネック変形 PIP過伸展+DIP屈曲 側索の短縮・緊張
Z変形 MCP過屈曲+IP過伸展 母指の関節包破壊
尺側偏位 MCP関節で尺側偏位 関節包・伸筋腱の逸脱
槌指変形 DIP屈曲位固定 伸筋腱断裂(外傷性)
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題70|「63歳の女性。30年前に関節リウマチと診断された。両手の示指、中指にPIP関節屈曲、DIP関節過伸展の変形を認める。」この手指変形はどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題70|「63歳の女性。30年前に関節リウマチと診断された。両手の示指、中指にPIP関節屈曲、DIP関節過伸展の変形を認める。」この手指変形はどれか。
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