学習トップ理由で解く 臨床医学各論第12章 ▸ A. リウマチ性疾患 / Q1253

理由で解く 臨床医学各論

Q1253 リウマチ性疾患・膠原病

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題67
問題
関節リウマチの関節内初期病変部位はどれか。
選択肢
1 靱帯
2
3 関節軟骨
4 滑膜
解答
正解4(滑膜)
解説
✗ 1. 誤り
靱帯
靱帯の障害は滑膜炎の進行に伴い二次的に生じる変化である。滑膜炎による炎症が周囲組織に波及し、靱帯の弛緩や断裂をきたすが、初期病変部位ではない。靱帯障害は関節不安定性や変形の原因となる。
✗ 2. 誤り
骨破壊(骨びらん、骨破壊像)はパンヌス(増殖した滑膜組織)の浸潤により二次的に生じるもので、初期病変ではない。X線検査で骨びらんが確認されるのは発症後数ヶ月以降であり、すでに滑膜炎が進行した状態である。
✗ 3. 誤り
関節軟骨
関節軟骨の破壊も滑膜炎の進行に伴い二次的に生じる変化である。パンヌスが関節軟骨表面を覆い、軟骨基質を破壊することで関節裂隙の狭小化が生じる。しかし初期病変は滑膜であり、軟骨破壊は続発性である。
✓ 4. 正しい
滑膜
関節リウマチの初期病変は滑膜の炎症(滑膜炎)である。自己免疫機序により滑膜組織に炎症細胞が浸潤し、滑膜の増殖・肥厚(パンヌス形成)が起こる。このパンヌスが進行すると関節軟骨や骨を破壊し、最終的に関節変形に至る。滑膜炎が全ての病態の出発点である。
ポイント
  • 関節リウマチの病態は「滑膜炎→パンヌス形成→軟骨・骨破壊→関節変形」の順に進行する
  • 初期病変は滑膜炎であり、早期診断・早期治療により軟骨・骨破壊を予防することが重要
  • 靱帯、骨、軟骨の障害はすべて滑膜炎の進行による二次的変化である
  • 変形性関節症との鑑別: 変形性関節症は軟骨の退行変性が起点であり、滑膜炎が起点の関節リウマチとは病態が根本的に異なる
  • 重要用語: 滑膜炎, パンヌス, 骨びらん, 関節軟骨破壊, 自己免疫機序 を正確に理解しておくこと。
比較表
病期 病変部位 変化
初期 滑膜 滑膜炎・炎症細胞浸潤
進行期 滑膜→軟骨 パンヌス形成・軟骨破壊
後期 骨・靱帯 骨びらん・靱帯弛緩
末期 関節全体 関節変形・強直
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題67|関節リウマチの関節内初期病変部位はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題67|関節リウマチの関節内初期病変部位はどれか。
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