学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ J. 神経痛 / Q1226

理由で解く 臨床医学各論

Q1226 神経疾患

出典:あマ指 第20回(2012) 問題74
問題
「40歳の女性。最近右顔面に発作性の激痛がある。痛みは右眼瞼から右頬部および上歯に放散する。」この症状から考えられる罹患神経はどれか。
選択肢
1 大後頭神経
2 動眼神経
3 三叉神経
4 顔面神経
解答
正解3(三叉神経)
解説
✗ 1. 誤り
大後頭神経
大後頭神経は第2頸神経の後枝であり、後頭部の知覚を支配する。 後頭部の痛みが特徴であり、眼瞼〜頬部〜上歯の痛みは支配領域が異なるため該当しない。 大後頭神経痛の場合はテグレトールの内服や大後頭神経ブロックが治療に用いられる。
✗ 2. 誤り
動眼神経
動眼神経(第III脳神経)は眼球運動と上眼瞼挙筋を支配する運動神経であり、顔面の発作性激痛の原因とはならない。 動眼神経障害では眼瞼下垂・瞳孔散大・眼球運動障害がみられるが、痛みは主症状ではない。 動眼神経は運動機能の神経であるため、知覚性の激痛とは結びつかない。
✓ 3. 正しい
三叉神経
右眼瞼から右頬部・上歯に放散する発作性の激痛は三叉神経痛の典型的な症状である。 痛みの分布は三叉神経の第2枝(上顎神経)の支配領域に一致する。40歳以降の発症でやや女性に多い点も三叉神経痛の疫学に合致する。 三叉神経痛では咀嚼・洗顔・髭剃りなどの動作がトリガーとなり発作が誘発される。
✗ 4. 誤り
顔面神経
顔面神経(第VII脳神経)は主に表情筋を支配する運動神経であり、顔面の発作性激痛の原因とはならない。 顔面神経麻痺では運動障害(閉眼困難・口角下垂など)がみられるが、感覚性の激痛は起こさない。 顔面神経は一部味覚線維を含むが、顔面の知覚(痛覚)は支配しない。
ポイント
  • 眼瞼〜頬部〜上歯への発作性激痛は三叉神経第2枝(上顎神経)痛を示唆する典型的なパターンである。
  • 三叉神経は知覚神経が主体であり顔面の痛みに関与するが、顔面神経は運動神経が主体であり痛みには関与しない。
  • 三叉神経の3枝(眼神経・上顎神経・下顎神経)の支配領域を正確に理解し、症状から罹患枝を同定できるようにする。
  • 重要用語: 三叉神経痛, 第2枝(上顎神経), 発作性激痛, トリガーゾーン を正確に理解しておくこと。
比較表
三叉神経の枝 名称 支配領域
第1枝 眼神経 額・上眼瞼・鼻背部
第2枝 上顎神経 下眼瞼・頬部・上歯・上唇(本症例の領域)
第3枝 下顎神経 下顎・下歯・下唇・舌前2/3の知覚
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題74|「40歳の女性。最近右顔面に発作性の激痛がある。痛みは右眼瞼から右頬部および上歯に放散する。」この症状から考えられる罹患神経はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題74|「40歳の女性。最近右顔面に発作性の激痛がある。痛みは右眼瞼から右頬部および上歯に放散する。」この症状から考えられる罹患神経はどれか。
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