学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1209

理由で解く 臨床医学各論

Q1209 神経疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題60
問題
外傷と合併する神経麻痺の組合せで最も適切なのはどれか。
選択肢
1 上腕骨骨幹部骨折 ― 腋窩神経麻痺
2 橈骨遠位端骨折 ― 正中神経麻痺
3 肩関節前方脱臼 ― 尺骨神経麻痺
4 股関節後方脱臼 ― 大腿神経麻痺
解答
正解2(橈骨遠位端骨折――――――正中神経麻痺)
解説
✗ 1. 誤り
上腕骨骨幹部骨折 ― 腋窩神経麻痺
上腕骨骨幹部骨折で合併しやすいのは橈骨神経麻痺である。橈骨神経は上腕骨中央部の橈骨神経溝を上腕骨に接して走行するため、骨幹部骨折で損傷を受けやすい。 腋窩神経麻痺は上腕骨外科頸骨折や肩関節脱臼に合併する。
✓ 2. 正しい
橈骨遠位端骨折 ― 正中神経麻痺
橈骨遠位端骨折(コレス骨折)では正中神経が手根管内で圧迫され、正中神経麻痺を合併することがある。 正中神経は手根管を通過するため、骨折による腫脹・浮腫や骨片の転位により手根管内の圧力が上昇し、正中神経が圧迫される。 母指球筋の萎縮(猿手)や母指〜環指橈側のしびれがみられる。
✗ 3. 誤り
肩関節前方脱臼 ― 尺骨神経麻痺
肩関節前方脱臼で合併しやすいのは腋窩神経麻痺である。腋窩神経は肩関節の関節包下方を走行しており、前方脱臼で伸展・圧迫を受ける。 尺骨神経麻痺は肘部管症候群や上腕骨外顆骨折後の外反肘で生じる。
✗ 4. 誤り
股関節後方脱臼 ― 大腿神経麻痺
股関節後方脱臼で合併しやすいのは坐骨神経麻痺である。坐骨神経は股関節の後方を走行するため、後方脱臼で損傷を受ける。 大腿神経は股関節の前方を走行するため、後方脱臼では障害されにくい。
ポイント
  • 外傷と合併する神経麻痺の組合せは頻出であり、神経の走行と解剖学的位置関係から理解する。
  • 橈骨遠位端骨折では手根管内の正中神経圧迫、上腕骨骨幹部骨折では橈骨神経溝の橈骨神経損傷が代表的である。
  • 股関節後方脱臼では後方を走行する坐骨神経が損傷されるため、大腿後面〜下腿の感覚障害と足関節の運動障害がみられる。
  • 重要用語: 外傷と神経麻痺の組合せ, 橈骨遠位端骨折, 正中神経, 手根管 を正確に理解しておくこと。
比較表
外傷 合併する神経麻痺
上腕骨外科頸骨折・肩関節脱臼 腋窩神経麻痺
上腕骨骨幹部骨折 橈骨神経麻痺
橈骨遠位端骨折 正中神経麻痺
股関節後方脱臼 坐骨神経麻痺
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題60|外傷と合併する神経麻痺の組合せで最も適切なのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題60|外傷と合併する神経麻痺の組合せで最も適切なのはどれか。
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