学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1206

理由で解く 臨床医学各論

Q1206 神経疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題82
問題
ギラン・バレー症候群について正しい記述はどれか。
選択肢
1 中枢神経障害である。
2 対称性の四肢脱力がみられる。
3 髄液検査で細胞数の増加を認める。
4 自然軽快は少ない。
解答
正解2(対称性の四肢脱力がみられる。)
解説
✗ 1. 誤り
中枢神経障害である。
ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄性疾患であり、中枢神経障害ではない。 病理学的には単核球浸潤と脱髄が主体で、神経根を含む末梢神経が多巣性に障害を受ける自己免疫性疾患である。
✓ 2. 正しい
対称性の四肢脱力がみられる。
ギラン・バレー症候群では急性かつ対称性の四肢脱力が主症状である。 脱力は通常下肢から始まり上行性に進行し、発症からピークまで2〜4週間以内である。重症例では呼吸筋麻痺や球麻痺をきたすこともある。 約2/3の症例で先行する呼吸器系・消化器系の感染が認められる。
✗ 3. 誤り
髄液検査で細胞数の増加を認める。
ギラン・バレー症候群の髄液検査では「たんぱく細胞解離」が特徴的であり、たんぱくは増加するが細胞数は正常(増加しない)である。 たんぱく細胞解離は末梢神経の炎症により血液-髄液関門の透過性が亢進することで生じる。
✗ 4. 誤り
自然軽快は少ない。
ギラン・バレー症候群は多くの症例で自然軽快し、4〜6ヵ月以内に約85%の患者が回復する。 経過は一相性であり、治療として血漿交換療法や免疫グロブリン大量療法が行われる。
ポイント
  • ギラン・バレー症候群は感染後に発症する末梢神経の脱髄性疾患であり、対称性の四肢脱力が上行性に進行する。
  • 髄液検査のたんぱく細胞解離(たんぱく増加・細胞数正常)は診断の重要な所見であり、多くは自然軽快する。
  • 重症例では呼吸筋麻痺が生じうるため、呼吸機能のモニタリングが重要である。
  • 重要用語: ギラン・バレー症候群, 末梢神経脱髄, 対称性四肢脱力, たんぱく細胞解離 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 ギラン・バレー症候群
病態 末梢神経の脱髄性多発神経炎(自己免疫)
誘因 先行感染(呼吸器・消化器感染)
主症状 対称性四肢脱力(上行性・弛緩性麻痺)
髄液所見 たんぱく細胞解離(たんぱく↑・細胞数正常)
腱反射 減弱〜消失
経過 多くは自然軽快(85%が回復)
治療 血漿交換・免疫グロブリン大量療法
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題82|ギラン・バレー症候群について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題82|ギラン・バレー症候群について正しい記述はどれか。
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