学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1205

理由で解く 臨床医学各論

Q1205 神経疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題81
問題
末梢性顔面神経麻痺でみられる症状はどれか。
選択肢
1 嗅覚障害
2 対光反射消失
3 顔面知覚低下
4 味覚障害
解答
正解4(味覚障害)
解説
✗ 1. 誤り
嗅覚障害
嗅覚は嗅神経(第I脳神経)が支配しており、顔面神経(第VII脳神経)の麻痺では障害されない。 嗅覚障害がみられるのは前頭蓋底の病変(嗅窩部髄膜腫など)や嗅神経の直接損傷の場合である。
✗ 2. 誤り
対光反射消失
対光反射は視神経(第II脳神経・求心路)と動眼神経(第III脳神経・遠心路)が関与しており、顔面神経麻痺では障害されない。 顔面神経は対光反射の経路に含まれないため、瞳孔反応は正常に保たれる。
✗ 3. 誤り
顔面知覚低下
顔面の知覚(触覚・痛覚・温度覚)は三叉神経(第V脳神経)が支配しており、顔面神経麻痺では障害されない。 顔面神経は「運動」と「味覚」を担当し、顔面の「知覚」は三叉神経の担当である。
✓ 4. 正しい
味覚障害
末梢性顔面神経麻痺では顔面神経の分枝である鼓索神経も障害されるため、舌の前2/3の味覚障害がみられる。 これはベル麻痺において病変が膝神経節に及ぶ場合に顕著であり、涙分泌障害・唾液分泌障害・聴覚過敏を伴うこともある。 なお舌の後1/3の味覚は舌咽神経(第IX脳神経)の支配である。
ポイント
  • 末梢性顔面神経麻痺では顔面の運動障害に加え、鼓索神経障害による舌前2/3の味覚障害がみられる。
  • 顔面の「知覚」は三叉神経、「運動」は顔面神経という区別を確実にしておく。
  • 舌の後1/3の味覚は舌咽神経(第IX脳神経)支配であり、障害される味覚の範囲から障害神経を推定できる。
  • 重要用語: 末梢性顔面神経麻痺, 鼓索神経, 舌前2/3味覚障害, 三叉神経との区別 を正確に理解しておくこと。
比較表
脳神経 支配機能
嗅神経(I) 嗅覚
視神経(II)・動眼神経(III) 対光反射
三叉神経(V) 顔面の知覚
顔面神経(VII) 顔面の運動+舌前2/3味覚
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題81|末梢性顔面神経麻痺でみられる症状はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題81|末梢性顔面神経麻痺でみられる症状はどれか。
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