学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1196

理由で解く 臨床医学各論

Q1196 神経疾患

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題73
問題
ラムゼイハント症候群で正しい記述はどれか。
選択肢
1 顔面神経麻痺が起こる。
2 深部反射が亢進する。
3 呼吸筋麻痺が起こる。
4 味覚は正常である。
解答
正解1(顔面神経麻痺が起こる。)
解説
✓ 1. 正しい
顔面神経麻痺が起こる。
ラムゼイハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により膝神経節に炎症が生じ、同側の末梢性顔面神経麻痺を呈する。 外耳道・耳介に疼痛を伴う水疱がみられ、感音性難聴や耳鳴りを伴うことが特徴である。 顔面神経麻痺の回復はベル麻痺に比べ遅く、不全麻痺を残すことが多い。
✗ 2. 誤り
深部反射が亢進する。
ラムゼイハント症候群は末梢性顔面神経麻痺であり、深部反射(腱反射)には影響しない。 深部反射亢進は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)でみられる所見であり、末梢神経障害である本症候群とは無関係である。
✗ 3. 誤り
呼吸筋麻痺が起こる。
ラムゼイハント症候群では呼吸筋麻痺は起こらない。 顔面神経と内耳神経が主に障害される局所的疾患であり、呼吸筋を支配する横隔神経や肋間神経は障害されない。呼吸筋麻痺はギラン・バレー症候群の重症例で問題となる。
✗ 4. 誤り
味覚は正常である。
膝神経節から分枝する鼓索神経が障害されるため、舌前2/3の味覚障害が出現する。 味覚は正常ではなく、ベル麻痺と同様に味覚障害がみられる。味覚障害はラムゼイハント症候群の重要な随伴症状である。
ポイント
  • ラムゼイハント症候群の三主徴は「末梢性顔面神経麻痺」「耳介の帯状疱疹(水疱)」「感音性難聴」である。
  • ベル麻痺との鑑別では、耳介の水疱と難聴の有無が重要な鑑別点となる。
  • 原因は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化であり、抗ウイルス薬(アシクロビル)とステロイドの併用が治療の基本である。
  • 重要用語: ラムゼイハント症候群, 水痘・帯状疱疹ウイルス, 膝神経節, 外耳疱疹, 感音性難聴 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 ラムゼイハント症候群 ベル麻痺
原因 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV) 単純ヘルペスウイルス(推定)
外耳の水疱 あり(三主徴の一つ) なし
顔面神経麻痺 あり あり
難聴 あり(感音性難聴) なし(聴覚過敏はあり)
味覚障害 あり あり
予後 不良(不全麻痺が残りやすい) 比較的良好(1〜3か月で回復)
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題73|ラムゼイハント症候群で正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題73|ラムゼイハント症候群で正しい記述はどれか。
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