学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1193

理由で解く 臨床医学各論

Q1193 神経疾患

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題88
問題
ベル麻痺の症侯でみられないのはどれか。
選択肢
1 兎眼
2 味覚障害
3 聴覚過敏
4 顔面痛覚鈍麻
解答
正解4(顔面痛覚鈍麻)
解説
✗ 1.
兎眼
✗ 正しい。顔面神経麻痺により眼輪筋が麻痺し閉眼不能となり兎眼を呈する。 額のしわ寄せ・閉眼が困難となり、角膜が露出して乾燥するため点眼や眼帯が必要となる。
✗ 2.
味覚障害
✗ 正しい。顔面神経の鼓索神経枝が障害されると舌前2/3の味覚障害が出現する。 膝神経節付近の病変が強い場合に味覚障害がみられやすく、ベル麻痺の特徴的な随伴症状である。
✗ 3.
聴覚過敏
✗ 正しい。顔面神経のアブミ骨筋神経枝が障害されるとアブミ骨筋が麻痺し聴覚過敏(hyperacusis)となる。 アブミ骨筋の麻痺により鼓膜の振動を抑制できなくなり、通常の音が大きく感じられるようになる。
✓ 4. 誤り
顔面痛覚鈍麻
顔面痛覚鈍麻はベル麻痺でみられない。顔面の知覚は三叉神経(第V脳神経)が支配しており、顔面神経(第VII脳神経)は主に表情筋の運動を司る。 したがって顔面神経の障害では顔面の痛覚・触覚などの知覚は保たれる。顔面の知覚障害がある場合は三叉神経障害を疑う。
ポイント
  • ベル麻痺は末梢性顔面神経麻痺であり、額を含む片側全体の表情筋が麻痺する(中枢性では額は除外される)。
  • 顔面の知覚(痛覚・触覚)は三叉神経の支配であるため、ベル麻痺では保たれる。
  • ベル麻痺の随伴症状として兎眼・味覚障害・聴覚過敏がみられるが、知覚障害はみられない。
  • 重要用語: ベル麻痺, 顔面神経(運動), 三叉神経(知覚), 兎眼, 味覚障害, 聴覚過敏 を正確に理解しておくこと。
比較表
機能 支配神経 ベル麻痺での障害
表情筋の運動 顔面神経(第VII脳神経) あり(閉眼不能・口角下垂)
顔面の知覚(痛覚・触覚) 三叉神経(第V脳神経) なし
舌前2/3の味覚 顔面神経(鼓索神経枝) あり
アブミ骨筋の運動 顔面神経(アブミ骨筋神経枝) あり(聴覚過敏)
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題88|ベル麻痺の症侯でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題88|ベル麻痺の症侯でみられないのはどれか。
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