学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1192

理由で解く 臨床医学各論

Q1192 神経疾患

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題87
問題
ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。
選択肢
1 意識障害
2 顔面神経麻痺
3 感冒様前駆症状
4 四肢麻痺
解答
正解1(意識障害)
解説
✓ 1. 誤り
意識障害
ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄性疾患であり、中枢神経系は障害されないため意識障害はみられない。 意識は清明に保たれ、四肢の運動麻痺が前景に立つ。意識障害の出現は他疾患(脳炎・脳血管障害など)の鑑別を要する。
✗ 2.
顔面神経麻痺
✗ 正しい。ギラン・バレー症候群では脳神経にも障害が及ぶことがあり、しばしば両側性の顔面神経麻痺を伴う。 外眼筋麻痺を伴うこともあり、これはフィッシャー症候群としてギラン・バレー症候群の亜型に分類される。
✗ 3.
感冒様前駆症状
✗ 正しい。約2/3の症例で発症1〜3週前に呼吸器系や消化器系の感染(感冒様前駆症状)が先行する。 カンピロバクター腸炎やウイルス性上気道炎が代表的な先行感染として知られており、感染後の自己免疫反応が発症機序と考えられている。
✗ 4.
四肢麻痺
✗ 正しい。ギラン・バレー症候群では急性かつ対称性の四肢麻痺(弛緩性麻痺)が主徴であり、下肢から上行性に進行する。 腱反射低下・消失を伴い、重症例では呼吸筋麻痺をきたす。多くは自然軽快するが、重症例では人工呼吸管理が必要となる。
ポイント
  • ギラン・バレー症候群は「末梢神経」の疾患であり意識障害はみられない。意識障害がある場合は中枢神経疾患を鑑別する。
  • 約2/3に感冒様前駆症状が先行し、対称性の上行性弛緩性麻痺と腱反射消失が特徴的である。
  • 髄液所見は「たんぱく細胞解離」(たんぱく増加・細胞数正常)であり、診断の重要な根拠となる。
  • 重要用語: ギラン・バレー症候群, 意識障害なし, 前駆感染, 上行性麻痺, たんぱく細胞解離 を正確に理解しておくこと。
比較表
特徴 ギラン・バレー症候群 多発性硬化症
障害部位 末梢神経(脱髄) 中枢神経(脱髄)
意識障害 なし なし(大脳病変では稀にあり)
麻痺の性質 弛緩性(下位運動ニューロン型) 痙性(上位運動ニューロン型)
髄液所見 たんぱく細胞解離 オリゴクローナルバンド陽性
経過 単相性・自然軽快 再発寛解型が多い
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題87|ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題87|ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。
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