学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ H. 運動ニューロン疾患 / Q1176

理由で解く 臨床医学各論

Q1176 神経疾患

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題86
問題
筋萎縮性側索硬化症でみられない症候はどれか。
選択肢
1 線維束攣縮
2 深部反射亢進
3 筋力低下
4 不随意運動
解答
正解4(不随意運動)
解説
✗ 1.
線維束攣縮
✗ 正しい。線維束攣縮(ファスキキュレーション)は下位運動ニューロン障害(脊髄前角障害)の所見であり、ALSに特徴的にみられる。 安静時に筋表面がぴくぴく動く現象で、筋電図でも確認される。筋萎縮とともにALSの重要な臨床所見であり、四肢や舌に広く認められる。
✗ 2.
深部反射亢進
✗ 正しい。深部反射(腱反射)亢進は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の所見であり、ALSでみられる。 バビンスキー徴候やホフマン反射陽性も上位運動ニューロン障害の所見として出現する。ALSでは上位・下位運動ニューロンの両方が障害されるため、腱反射亢進と筋萎縮が同一肢に共存しうる。
✗ 3.
筋力低下
✗ 正しい。筋力低下はALSの主症状であり、運動ニューロンの変性脱落による筋萎縮に伴い進行性にみられる。 初発症状は上肢遠位部から始まることが約50%で最多であり、下肢25%、球麻痺25%と続く。発症後は進行性に全身の筋力低下が拡大する。
✓ 4. 誤り
不随意運動
不随意運動は錐体外路系(大脳基底核)の障害でみられる症候であり、ALSでは出現しない。 ALSは上位・下位運動ニューロンの変性疾患であり、舞踏様運動やアテトーゼなどの不随意運動はみられない。ALSの「陰性4徴候」として、感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡がみられにくいことも重要である。
ポイント
  • ALSでは上位運動ニューロン障害(深部反射亢進・バビンスキー徴候)と下位運動ニューロン障害(筋萎縮・線維束攣縮・筋力低下)の両方がみられる
  • 不随意運動は錐体外路系の障害であり、ALSでは出現しない
  • ALSの陰性4徴候(感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡)も合わせて確実に覚える
  • 重要用語: ALS, 線維束攣縮, 深部反射亢進, 不随意運動なし, 陰性4徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
ALSでみられる症候 ALSでみられない症候
線維束攣縮(下位運動ニューロン障害) 不随意運動(錐体外路系の障害)
深部反射亢進(上位運動ニューロン障害) 感覚障害(陰性4徴候)
筋力低下・筋萎縮 膀胱直腸障害(陰性4徴候)
バビンスキー徴候 眼球運動障害(陰性4徴候)
嚥下障害・構音障害(球麻痺) 褥瘡(陰性4徴候)
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題86|筋萎縮性側索硬化症でみられない症候はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題86|筋萎縮性側索硬化症でみられない症候はどれか。
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