学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ E. その他の変性疾患 / Q1135

理由で解く 臨床医学各論

Q1135 神経疾患

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題85
問題
感染による中枢神経疾患はどれか。
選択肢
1 麻痺性痴呆
2 脊髄空洞症
3 パーキンソン病
4 脊髄小脳変性症
解答
正解1(麻痺性痴呆)
解説
✓ 1. 正しい
麻痺性痴呆
麻痺性痴呆(進行麻痺)は梅毒トレポネーマ(梅毒スピロヘータ)が中枢神経に感染して起こる神経梅毒の最終病態である。梅毒の初感染から10〜20年後に発症し、認知機能低下・人格変化・誇大妄想・多幸症・進行性の認知症を呈する。神経梅毒にはこのほか脊髄癆(後索障害による深部感覚障害・ロンベルグ徴候陽性)がある。ペニシリン投与が治療の基本である。
✗ 2. 誤り
脊髄空洞症
脊髄空洞症は脊髄中心管周囲に空洞が形成される疾患であり、感染が原因ではない。キアリ奇形に合併することが多く、解離性感覚障害(温痛覚障害・触覚温存)が特徴的所見である。原因は先天性奇形や外傷後などであり、感染性疾患には分類されない。
✗ 3. 誤り
パーキンソン病
パーキンソン病は中脳黒質のドパミン産生神経の変性・脱落による神経変性疾患であり、感染性疾患ではない。安静時振戦・筋固縮・無動(寡動)・姿勢反射障害の4大症状を呈する。病理学的にレビー小体が特徴的で、原因は不明(特発性)である。
✗ 4. 誤り
脊髄小脳変性症
脊髄小脳変性症は小脳や脊髄の神経細胞が進行性に変性する疾患群であり、感染症ではない。運動失調(歩行失調・四肢失調・構音障害)を主症状とし、遺伝性と孤発性に分類される。
ポイント
  • 麻痺性痴呆は梅毒感染による中枢神経疾患であり、感染から10〜20年の潜伏期を経て発症する
  • 神経梅毒には麻痺性痴呆のほか脊髄癆(後索障害)があり、いずれも第3期・4期梅毒に分類される
  • 脊髄空洞症・パーキンソン病・脊髄小脳変性症はいずれも非感染性の神経変性疾患である
  • 重要用語: 麻痺性痴呆, 神経梅毒, 梅毒トレポネーマ, 脊髄癆 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 病因 感染性 主症状
麻痺性痴呆 梅毒トレポネーマ あり 認知症・人格変化・誇大妄想
脊髄空洞症 先天性奇形・外傷後 なし 解離性感覚障害
パーキンソン病 黒質ドパミン神経変性 なし 振戦・筋固縮・無動
脊髄小脳変性症 小脳・脊髄神経変性 なし 運動失調
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題85|感染による中枢神経疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題85|感染による中枢神経疾患はどれか。
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