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理由で解く 臨床医学各論

Q1136 神経疾患

出典:あマ指 第12回(2004) 問題95
問題
自律神経症状が中心となる疾患はどれか。
選択肢
1 シャイ・ドレーガー病
2 筋萎縮性側索硬化症
3 重症筋無力症
4 フリードライヒ失調症
解答
正解1(シャイ・ドレーガー病)
解説
✓ 1. 正しい
シャイ・ドレーガー病
シャイ・ドレーガー症候群は多系統萎縮症(MSA)の一型であり、自律神経症状が中心となる疾患である。主症状として起立性低血圧(立ちくらみ・失神)、排尿障害(尿失禁・残尿)、発汗障害、勃起障害などの自律神経障害を呈する。進行に伴い小脳症状(運動失調)やパーキンソニズム(筋固縮・無動)が加わることがある。多系統萎縮症はMSA-C(小脳症状優位、旧オリーブ橋小脳萎縮症)とMSA-P(パーキンソニズム優位、旧線条体黒質変性症)にも分類される。
✗ 2. 誤り
筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位運動ニューロン(錐体路)と下位運動ニューロン(脊髄前角細胞)の変性により進行性の筋萎縮・筋力低下を呈する疾患である。知覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害を認めないことが特徴であり(陰性4徴候)、自律神経症状は通常みられない。
✗ 3. 誤り
重症筋無力症
重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体(抗AChR抗体)により、易疲労性・眼瞼下垂・複視・嚥下障害を呈する自己免疫疾患である。日内変動(夕方に増悪)が特徴的で、自律神経症状が中心となる疾患ではない。
✗ 4. 誤り
フリードライヒ失調症
フリードライヒ失調症は脊髄後索・小脳・錐体路の変性により進行性の運動失調を呈する常染色体劣性遺伝の疾患である。深部感覚障害、凹足(pes cavus)、側弯症、心筋症の合併が特徴的で、自律神経症状が中心となる疾患ではない。
ポイント
  • シャイ・ドレーガー症候群(MSA)は自律神経障害が主症状で、起立性低血圧による失神が最も特徴的である
  • 多系統萎縮症の3型:シャイ・ドレーガー型(自律神経障害優位)、MSA-C(小脳症状優位)、MSA-P(パーキンソニズム優位)
  • ALSは自律神経症状を認めず、知覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害もない(陰性4徴候)
  • 重要用語: シャイ・ドレーガー症候群, 多系統萎縮症, 起立性低血圧, 自律神経障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 主症状 自律神経症状
シャイ・ドレーガー症候群 起立性低血圧、排尿障害 中心症状
筋萎縮性側索硬化症 筋萎縮、筋力低下 通常なし
重症筋無力症 易疲労性、眼瞼下垂 なし
フリードライヒ失調症 運動失調、深部感覚障害 なし
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題95|自律神経症状が中心となる疾患はどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題95|自律神経症状が中心となる疾患はどれか。
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