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理由で解く 臨床医学各論

Q1165 神経疾患

出典:あマ指 第17回(2009) 問題69
問題
デュシェンヌ型筋ジストロフィーで生じにくいのはどれか。
選択肢
1 母指球の萎縮
2 登はん性起立
3 動揺性歩行
4 腓腹筋の仮性肥大
解答
正解1(母指球の萎縮)
解説
✓ 1. 誤り
母指球の萎縮
母指球の萎縮はデュシェンヌ型筋ジストロフィーでは生じにくい。 母指球の萎縮は手内筋の萎縮であり、遠位筋障害や末梢神経障害(正中神経麻痺による猿手など)でみられる所見である。デュシェンヌ型は近位筋優位の筋力低下が特徴であり、遠位筋は比較的保たれる。
✗ 2.
登はん性起立
✗ 正しい。登攀性起立(ガワーズ徴候)は骨盤帯筋・大腿筋群の近位筋力低下による代償動作であり、デュシェンヌ型の最も特徴的な所見の一つである。 床から起立する際に手で膝や大腿を伝って体を押し上げるように起立する動作で、本疾患の診断上重要な臨床徴候である。
✗ 3.
動揺性歩行
✗ 正しい。動揺性歩行(トレンデレンブルグ歩行)は骨盤帯筋、特に中殿筋の筋力低下により体幹を左右に動揺させながら歩行する所見である。 デュシェンヌ型では歩行開始の遅延や動揺性歩行で発症することが多く、本疾患に典型的な所見である。
✗ 4.
腓腹筋の仮性肥大
✗ 正しい。腓腹筋の仮性肥大はデュシェンヌ型筋ジストロフィーに極めて特徴的な所見である。 筋組織が壊死・変性して脂肪組織や結合組織に置換されるため、外見上は腓腹筋が肥大して見えるが実際の筋力は低下している。「仮性」とは見かけ上のみの肥大を意味する。
ポイント
  • デュシェンヌ型筋ジストロフィーは近位筋優位の筋力低下が特徴であり、遠位筋は比較的保たれるため母指球萎縮は生じにくい
  • 登攀性起立(ガワーズ徴候)・動揺性歩行・腓腹筋仮性肥大はデュシェンヌ型の三大臨床所見として頻出である
  • 母指球萎縮は正中神経麻痺(手根管症候群など)でみられる遠位筋障害の所見であり、近位筋疾患との区別が重要
  • 重要用語: 近位筋優位, ガワーズ徴候, 腓腹筋仮性肥大, 動揺性歩行 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 デュシェンヌ型で出現するか 補足
登攀性起立(ガワーズ徴候) 出現する 近位筋力低下の代償動作
動揺性歩行 出現する 骨盤帯筋の筋力低下
腓腹筋仮性肥大 出現する 脂肪・結合組織への置換
母指球萎縮 出現しにくい 遠位筋障害・末梢神経障害の所見
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題69|デュシェンヌ型筋ジストロフィーで生じにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題69|デュシェンヌ型筋ジストロフィーで生じにくいのはどれか。
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