学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ H. 精神科疾患 / Q1481

理由で解く 臨床医学各論

Q1481 その他の領域

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題83
問題
うつ病に特徴的な訴えはどれか。
選択肢
1 考えが抜きとられる。
2 自分の悪口が聞こえる。
3 頭が働かず考えが進まない。
4 誰かが自分を監視している。
解答
正解3(頭が働かず考えが進まない。)
解説
✗ 1. 誤り
考えが抜きとられる。
「考えが抜きとられる」は思考奪取と呼ばれ、統合失調症の自我障害の一つである。自分の考えが外部の力によって抜き取られるという体験であり、シュナイダーの一級症状に含まれる。うつ病ではみられない。
✗ 2. 誤り
自分の悪口が聞こえる。
「自分の悪口が聞こえる」は幻聴であり、統合失調症の陽性症状として代表的なものである。統合失調症では自分の行動を批評する声や命令する声が聞こえるなどの幻聴が特徴的に出現する。うつ病の症状ではない。
✓ 3. 正しい
頭が働かず考えが進まない。
「頭が働かず考えが進まない」は思考制止(思考抑制)と呼ばれ、うつ病に特徴的な訴えである。うつ病では思考力や集中力の減退が生じ、考えがまとまらない、判断力が低下するなどの症状が出現する。これは意欲低下や易疲労性とともにうつ病の重要な症状であり、診断基準の項目にも含まれている。
✗ 4. 誤り
誰かが自分を監視している。
「誰かが自分を監視している」は注察妄想(被注察妄想)であり、統合失調症に特徴的な妄想の一つである。関係妄想や被害妄想とともに統合失調症の陽性症状として現れる。うつ病の症状ではない。
ポイント
  • うつ病の思考制止(思考抑制)は「頭が働かず考えが進まない」という訴えとして表現され、思考力・集中力・判断力の減退を反映する。うつ病の診断基準9項目に含まれる重要な症状である。
  • 思考奪取(考えが抜き取られる)、思考吹入(考えを吹き込まれる)、思考伝播(つつ抜け体験)はいずれも統合失調症の自我障害であり、シュナイダーの一級症状に含まれる。
  • 幻聴・注察妄想・関係妄想は統合失調症の陽性症状であり、うつ病では生じない。うつ病と統合失調症は「患者の訴え方」で区別できることが多い。
  • 重要用語: 思考制止、思考奪取、幻聴、注察妄想、シュナイダーの一級症状 を正確に理解しておくこと。
比較表
訴え 症状名 該当する疾患
考えが抜きとられる 思考奪取 統合失調症
悪口が聞こえる 幻聴 統合失調症
頭が働かず考えが進まない 思考制止 うつ病
監視されている 注察妄想 統合失調症
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題83|うつ病に特徴的な訴えはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題83|うつ病に特徴的な訴えはどれか。
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