学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ E. その他の変性疾患 / Q1132

理由で解く 臨床医学各論

Q1132 神経疾患

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題85
問題
神経疾患と所見との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 多発性硬化症 ― 髄液タンパク減少
2 多発性神経炎 ― 痙性麻痺
3 脊髄癆 ― 腱反射亢進
4 シャイ・ドレーガー症候群 ― 起立性低血圧
解答
正解4(シャイ・ドレーガー症候群 ― 起立性低血圧)
解説
✗ 1. 誤り
多発性硬化症 ― 髄液タンパク減少
多発性硬化症では中枢神経系の脱髄により髄液中のIgGが増加し、オリゴクローナルバンドが陽性となる。髄液蛋白は減少ではなく正常〜やや増加する。また、髄液中のミエリン塩基性蛋白が増加することがある。「髄液タンパク減少」は誤りである。
✗ 2. 誤り
多発性神経炎 ― 痙性麻痺
多発性神経炎(多発ニューロパチー)は末梢神経の障害であり、下位運動ニューロン障害に相当する。したがって、弛緩性麻痺、筋萎縮、深部腱反射の低下・消失を呈する。痙性麻痺は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の所見であり、多発性神経炎には該当しない。
✗ 3. 誤り
脊髄癆 ― 腱反射亢進
脊髄癆は梅毒の晩期合併症として生じる脊髄後索・後根の変性疾患である。後索障害により深部感覚(位置覚・振動覚)が障害され、また後根障害により深部腱反射は亢進ではなく消失する。電撃痛やアーガイル・ロバートソン瞳孔も特徴的な所見である。
✓ 4. 正しい
シャイ・ドレーガー症候群 ― 起立性低血圧
シャイ・ドレーガー症候群は多系統萎縮症(MSA)の一型であり、自律神経障害を主徴とする進行性の神経変性疾患である。起立性低血圧は本症候群の最も特徴的な症状であり、起立時に著明な血圧低下をきたし、めまい、立ちくらみ、失神が出現する。排尿障害、発汗障害、性機能障害なども伴う。
ポイント
  • シャイ・ドレーガー症候群(多系統萎縮症の自律神経障害優位型)では起立性低血圧が最も特徴的な症状である。
  • 誤った組合せの正しい所見を整理:多発性硬化症=髄液IgG増加、多発性神経炎=弛緩性麻痺、脊髄癆=腱反射消失。
  • 重要用語: シャイ・ドレーガー症候群, 起立性低血圧, 多系統萎縮症, 自律神経障害, 脊髄癆 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経疾患 正しい所見 誤りの記述
多発性硬化症 髄液IgG増加・オリゴクローナルバンド陽性 髄液タンパク減少
多発性神経炎 弛緩性麻痺・腱反射低下 痙性麻痺
脊髄癆 腱反射消失・深部感覚障害 腱反射亢進
シャイ・ドレーガー症候群 起立性低血圧 (正しい)
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題85|神経疾患と所見との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題85|神経疾患と所見との組合せで正しいのはどれか。
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