学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1130

理由で解く 臨床医学各論

Q1130 神経疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題85
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「60歳の女性。数年前から左手の振戦を生じ、次第にすくみ足、寡動を認めるようになり、近医にて診断を受け、投薬が開始された。」最もよくみられる症候はどれか。
選択肢
1 仮面様顔貌
2 測定障害
3 眼瞼下垂
4 痙縮
解答
正解1(仮面様顔貌)
解説
✓ 1. 正しい
仮面様顔貌
仮面様顔貌はパーキンソン病に最もよくみられる症候の一つである。 表情筋の動きが減少して無表情となり、あたかも仮面をかぶったような顔つきとなる。 これは寡動(無動)の一表現であり、瞬目の減少や脂顔なども伴う。本症例は振戦・すくみ足・寡動からパーキンソン病と診断されている。
✗ 2. 誤り
測定障害
測定障害(ジスメトリア)は小脳障害でみられる症候であり、目標物に手を伸ばす際に行き過ぎたり(過測定)足りなかったり(測定不足)する。 パーキンソン病は大脳基底核の錐体外路系疾患であり、小脳症状(運動失調・測定障害・企図振戦など)は通常みられない。
✗ 3. 誤り
眼瞼下垂
眼瞼下垂は動眼神経麻痺や重症筋無力症でみられる症候である。 パーキンソン病では眼瞼下垂は特徴的症候ではなく、むしろ瞬目の減少(まばたきが少なくなる)や脂顔が特徴的である。眼瞼下垂との混同に注意する。
✗ 4. 誤り
痙縮
痙縮(痙性)は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)でみられる症候であり、折りたたみナイフ現象を示す。 パーキンソン病でみられるのは痙縮ではなく固縮(筋強剛)であり、鉛管様固縮(一様な抵抗)や歯車様固縮(カクカクとした抵抗)が特徴的である。痙縮と固縮の区別は国試で頻出の重要テーマである。
ポイント
  • パーキンソン病の四大症状は「安静時振戦」「固縮(筋強剛)」「無動・寡動」「姿勢反射障害」であり、すくみ足も重要な歩行障害である
  • 仮面様顔貌は寡動の一表現であり、表情筋の動きが減少して無表情となる。瞬目減少・脂顔・小声も寡動に含まれる
  • 痙縮(錐体路障害・折りたたみナイフ現象)と固縮(錐体外路障害・鉛管様/歯車様)の鑑別は頻出テーマである
  • 重要用語: パーキンソン病四大症状, 仮面様顔貌, 固縮と痙縮の違い, すくみ足 を正確に理解しておくこと。
比較表
症候 みられる疾患 パーキンソン病との関係
仮面様顔貌 パーキンソン病 寡動の一表現として特徴的
測定障害 小脳疾患 錐体外路疾患であり小脳症状は伴わない
眼瞼下垂 重症筋無力症・動眼神経麻痺 パーキンソン病の症候ではない
痙縮 錐体路障害(上位運動ニューロン障害) パーキンソン病では固縮(筋強剛)
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題85|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「60歳の女性。数年前から左手の振戦を生じ、次第にすくみ足、寡動を認めるようになり、近医にて診断を受け、投薬が開始された。」最もよくみられる症候はどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題85|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「60歳の女性。数年前から左手の振戦を生じ、次第にすくみ足、寡動を認めるようになり、近医にて診断を受け、投薬が開始された。」最もよくみられる症候はどれか。
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