学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1129

理由で解く 臨床医学各論

Q1129 神経疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題51
問題
脳性麻痺について正しいのはどれか。
選択肢
1 脳の進行性病変に基づく障害である。
2 病型は失調型が最も多い。
3 精神発達遅滞と麻痺の程度は無関係である。
4 ボツリヌス毒素治療の適応とはならない。
解答
正解3(精神発達遅滞と麻痺の程度は無関係である)
解説
✗ 1. 誤り
脳の進行性病変に基づく障害である。
脳性麻痺は脳の非進行性病変に基づく運動機能障害である。胎生期から新生児期(生後4週以内)に生じた脳の非進行性病変により、永続的な運動・姿勢の異常をきたす。進行性の疾患ではないため、脳病変自体は悪化しないが、成長に伴い運動障害の影響が変化することはある。
✗ 2. 誤り
病型は失調型が最も多い。
脳性麻痺の病型は失調型が最も多いのではなく、痙直型(痙性型)が最も多い(約70〜80%)。痙直型は上位運動ニューロン障害によるもので、筋緊張亢進・腱反射亢進を特徴とする。アテトーゼ型(不随意運動型)、失調型、混合型もあるが、痙直型が大多数を占める。
✓ 3. 正しい
精神発達遅滞と麻痺の程度は無関係である。
脳性麻痺において精神発達遅滞と麻痺の程度は必ずしも関連しない。運動障害が重度であっても知的機能が正常な場合がある一方、運動障害が軽度でも精神発達遅滞を伴う場合もある。脳の障害部位や範囲によって運動障害と知的障害は独立して決定される。
✗ 4. 誤り
ボツリヌス毒素治療の適応とはならない。
脳性麻痺はボツリヌス毒素治療の適応となる。ボツリヌス毒素(ボトックス)注射は痙直型脳性麻痺における筋緊張(痙縮)の軽減に広く用いられており、下肢の内転筋や腓腹筋の痙縮に対して有効である。リハビリテーションと併用することで運動機能の改善が期待できる。
ポイント
  • 脳性麻痺は非進行性の脳病変に基づく運動障害であり、進行性ではない
  • 病型は痙直型(痙性型)が最も多く約70〜80%を占める。失調型は少数
  • 精神発達遅滞と運動障害の程度は必ずしも相関しない(脳障害部位による)
  • ボツリヌス毒素治療は痙縮の軽減に有効であり、適応となる
  • 重要用語: 非進行性, 痙直型, 精神発達遅滞と麻痺は無関係, ボツリヌス毒素 を正確に理解しておくこと。
比較表
病型 頻度 病変部位 主な特徴
痙直型 約70〜80% 錐体路 筋緊張亢進、腱反射亢進
アテトーゼ型 約10〜20% 大脳基底核 不随意運動、筋緊張変動
失調型 約5% 小脳 運動失調、協調運動障害
混合型 少数 複数領域 上記の組合せ
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題51|脳性麻痺について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題51|脳性麻痺について正しいのはどれか。
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