学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0869

理由で解く 臨床医学各論

Q0869 整形外科疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題84
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「3歳の女児。滑り台から落ちて右手をつき、右肘過伸展を強いられ受傷。近医を受診、右肘部変形があり、肘部前面の皮下出血と示指・中指のしびれが認められた。」最も考えられる障害神経はどれか。
選択肢
1 腋窩神経
2 正中神経
3 筋皮神経
4 尺骨神経
解答
正解2(正中神経)
解説
✗ 1. 誤り
腋窩神経
腋窩神経は三角筋と小円筋を支配し、肩関節外側(レギュレットの領域)の知覚を担当する。 上腕骨外科頸骨折や肩関節脱臼で障害されるが、肘部の骨折では通常障害されない。示指・中指のしびれとは無関係である。
✓ 2. 正しい
正中神経
示指・中指のしびれがあることから正中神経の障害が最も考えられる。 正中神経は母指・示指・中指・環指橈側1/2の掌側知覚を支配しており、示指・中指のしびれはまさに正中神経の支配領域に一致する。 小児の転倒で肘過伸展を強いられ、肘部変形と前面の皮下出血がみられることから上腕骨顆上骨折が疑われ、骨折片による正中神経の圧迫・損傷が生じたと考えられる。
✗ 3. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋を支配し、前腕外側の知覚を担当する。 示指・中指のしびれとは一致せず、本症例の障害神経としては考えにくい。
✗ 4. 誤り
尺骨神経
尺骨神経は小指・環指尺側1/2の知覚を支配するため、示指・中指のしびれとは一致しない。 尺骨神経は肘部管を通過し、肘部管症候群や上腕骨内側上顆骨折で障害されやすい。
ポイント
  • 示指・中指のしびれは正中神経障害を示唆する。上腕骨顆上骨折は小児に好発し、正中神経や上腕動脈を損傷しやすい
  • 上腕骨顆上骨折では前骨間神経麻痺やフォルクマン拘縮(前腕区画症候群)の合併にも注意が必要である
  • 各末梢神経の知覚支配領域と好発する骨折との対応関係は頻出であり、正中神経=顆上骨折、橈骨神経=骨幹部骨折、尺骨神経=内側上顆骨折と整理する
  • 重要用語: 正中神経, 上腕骨顆上骨折, 知覚支配領域, フォルクマン拘縮 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経 知覚支配領域 好発する骨折
正中神経 母指〜環指橈側1/2(掌側) 上腕骨顆上骨折
尺骨神経 小指・環指尺側1/2 上腕骨内側上顆骨折
橈骨神経 手背橈側 上腕骨骨幹部骨折
腋窩神経 肩外側(レギュレット領域) 上腕骨外科頸骨折
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題84|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「3歳の女児。滑り台から落ちて右手をつき、右肘過伸展を強いられ受傷。近医を受診、右肘部変形があり、肘部前面の皮下出血と示指・中指のしびれが認められた。」最も考えられる障害神経はどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題84|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「3歳の女児。滑り台から落ちて右手をつき、右肘過伸展を強いられ受傷。近医を受診、右肘部変形があり、肘部前面の皮下出血と示指・中指のしびれが認められた。」最も考えられる障害神経はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手