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理由で解く 臨床医学各論

Q1092 神経疾患

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題86
問題
疾患と病変部位との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 筋萎縮性側索硬化症 ― 脊髄前角
2 ポリオ ― 脳幹網様体
3 重症筋無力症 ― 神経筋接合部
4 パーキンソン病 ― 中脳黒質
解答
正解2(ポリオ 脳幹網様体)
解説
✗ 1.
筋萎縮性側索硬化症 ― 脊髄前角
✗ 正しい。筋萎縮性側索硬化症(ALS)では脊髄前角細胞(下位運動ニューロン)と錐体路(上位運動ニューロン)の両者が変性する。下位運動ニューロン障害による筋萎縮・線維束性収縮と、上位運動ニューロン障害による腱反射亢進・病的反射が併存するのが特徴的で、感覚障害を伴わない点が鑑別に重要である。
✓ 2. 誤り
ポリオ ― 脳幹網様体
ポリオ(急性灰白髄炎)の病変部位は脊髄前角であり、脳幹網様体ではない。ポリオウイルスは脊髄前角の運動ニューロンを選択的に障害し、非対称性の弛緩性麻痺と腱反射消失を引き起こす。脳幹網様体は意識の維持・覚醒に関与する部位であり、ポリオの病変部位とは異なる。
✗ 3.
重症筋無力症 ― 神経筋接合部
✗ 正しい。重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体(抗AChR抗体)が産生される自己免疫疾患である。シナプス後膜のアセチルコリン受容体が破壊されることで筋力低下を呈し、眼瞼下垂・複視・嚥下障害・易疲労性が特徴的である。胸腺腫の合併も高頻度にみられる。
✗ 4.
パーキンソン病 ― 中脳黒質
✗ 正しい。パーキンソン病は中脳黒質緻密層のドパミン産生神経細胞の変性が病態の中心である。黒質から線条体へのドパミン経路が障害されることで、安静時振戦・筋固縮(歯車様固縮)・無動(寡動)・姿勢反射障害の四大症状を呈する。病理学的にはレビー小体の出現が特徴的である。
ポイント
  • ポリオの病変部位は脊髄前角であり、脳幹網様体ではない。弛緩性麻痺と腱反射消失が特徴的である
  • 疾患と病変部位の正確な対応関係の把握が国試で頻出のテーマである
  • ALSでは上位・下位運動ニューロンの両障害が併存し、感覚障害は伴わない
  • パーキンソン病の病変部位は中脳黒質緻密層であり、レビー小体が病理的特徴である
  • 重要用語: 脊髄前角, 神経筋接合部, 中脳黒質, 錐体路 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 病変部位 主な症状
筋萎縮性側索硬化症 脊髄前角+錐体路 筋萎縮+腱反射亢進(感覚障害なし)
ポリオ 脊髄前角 弛緩性麻痺・腱反射消失
重症筋無力症 神経筋接合部 眼瞼下垂・複視・易疲労性
パーキンソン病 中脳黒質 振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題86|疾患と病変部位との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題86|疾患と病変部位との組合せで誤っているのはどれか。
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