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理由で解く 臨床医学各論

Q1091 神経疾患

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題85
問題
細菌性髄膜炎の髄液検査所見で正しいのはどれか。
選択肢
1 細胞数減少
2 蛋白低下
3 糖低下
4 髄液圧下降
解答
正解3(糖低下)
解説
✗ 1. 誤り
細胞数減少
細菌性髄膜炎では髄液中の細胞数は著明に増加する。特に多核球(好中球)優位の細胞増多が特徴的であり、数百〜数千/μLに達することがある。細菌感染による急性炎症反応として好中球が大量に動員されるため、細胞数は減少ではなく著増する。
✗ 2. 誤り
蛋白低下
細菌性髄膜炎では髄液蛋白は上昇する。炎症に伴う血液脳関門の破綻により血漿蛋白が髄液中に漏出し、正常値(15〜45mg/dL)を大きく超える。蛋白上昇は髄膜の炎症の程度を反映する重要な指標であり、低下ではない。
✓ 3. 正しい
糖低下
細菌性髄膜炎では髄液中の糖が著明に低下する。これは細菌が髄液中のグルコースをエネルギー源として消費するためであり、通常は血糖値の1/3以下(正常では血糖の60%程度)に低下する。この糖低下はウイルス性髄膜炎との最も重要な鑑別点である。
✗ 4. 誤り
髄液圧下降
細菌性髄膜炎では髄液圧は上昇する。頭蓋内の炎症による浮腫や膿性滲出物の貯留により頭蓋内圧が亢進し、正常値(70〜180mmH2O)を超える。髄液圧の上昇は頭痛・嘔吐の原因となり、下降ではなく上昇が正しい所見である。
ポイント
  • 細菌性髄膜炎の髄液所見は「圧上昇・混濁・細胞数増加(多核球優位)・蛋白増加・糖著明低下」の5項目で整理する
  • ウイルス性髄膜炎では糖は正常に保たれるため、糖低下の有無が最も重要な鑑別点となる
  • 結核性髄膜炎ではリンパ球優位の細胞増多と糖低下を認め、細菌性とは細胞の種類が異なる
  • 髄液検査は中枢神経系感染症の診断において必須の検査であり、所見パターンの理解が重要である
  • 重要用語: 細菌性髄膜炎の髄液所見, 糖低下, 多核球優位, 蛋白増加 を正確に理解しておくこと。
比較表
髄液所見 細菌性髄膜炎 ウイルス性髄膜炎 結核性髄膜炎
外観 混濁(膿性) 透明〜やや混濁 透明〜やや混濁
細胞数 著増(多核球優位) 軽度増加(リンパ球優位) 増加(リンパ球優位)
蛋白 著増 正常〜軽度上昇 著増
著明低下 正常 低下
髄液圧 上昇 正常〜軽度上昇 上昇
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題85|細菌性髄膜炎の髄液検査所見で正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題85|細菌性髄膜炎の髄液検査所見で正しいのはどれか。
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