学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1089

理由で解く 臨床医学各論

Q1089 神経疾患

出典:あマ指 第8回(2000) 問題96
問題
脳梗塞の原因疾患はどれか。
選択肢
1 脳腫瘍
2 脳血栓
3 脳炎
4 結核性髄膜炎
解答
正解2(脳血栓)
解説
✗ 1. 誤り
脳腫瘍
脳腫瘍は頭蓋内に発生する腫瘍性病変であり、頭蓋内圧亢進症状(頭痛・嘔吐・うっ血乳頭)を呈する。脳組織を圧迫・浸潤することで局所症状を引き起こすが、血管閉塞による脳梗塞の原因疾患ではない。腫瘍周囲の浮腫が症状を悪化させることがある。
✓ 2. 正しい
脳血栓
脳血栓は脳梗塞の原因疾患である。動脈硬化により脳動脈の内腔が狭窄し、その部位に血栓が形成されて血管が閉塞することで、灌流域の脳組織が虚血壊死を起こす。安静時(特に夜間〜早朝)に発症しやすく、症状が階段状に進行するのが特徴的である。高血圧・糖尿病・脂質異常症が危険因子となる。
✗ 3. 誤り
脳炎
脳炎はウイルス(特に単純ヘルペスウイルス)などの感染による脳実質の炎症性疾患である。急性の発熱・意識障害・痙攣・人格変化を呈するが、血管閉塞による脳梗塞の原因とはならない。単純ヘルペス脳炎では側頭葉・前頭葉に好発し、早期のアシクロビル投与が必要である。
✗ 4. 誤り
結核性髄膜炎
結核性髄膜炎は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による髄膜の感染症であり、数週間かけて亜急性・慢性に進行する経過が特徴的である。髄液検査ではリンパ球優位の細胞増多と著明な蛋白上昇、糖低下を認めるが、脳梗塞の直接的な原因疾患ではない。
ポイント
  • 脳梗塞は脳動脈閉塞による脳組織壊死であり、原因として脳血栓(動脈硬化性)と脳塞栓(心原性)がある
  • 脳血栓は動脈硬化部位に血栓が形成され階段状に進行し、脳塞栓は心房内血栓が遊離し突然発症する
  • 脳腫瘍・脳炎・髄膜炎はそれぞれ異なる病態であり、脳梗塞とは区別が必要である
  • 脳梗塞の危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動)の理解も重要である
  • 重要用語: 脳血栓, 脳塞栓, 脳梗塞の分類, 動脈硬化 を正確に理解しておくこと。
比較表
脳梗塞の分類 原因 発症様式 好発時間帯
脳血栓 動脈硬化による血栓形成 階段状に進行 安静時(夜間〜早朝)
脳塞栓 心原性血栓の遊離 突然発症(数分で完成) 活動時
ラクナ梗塞 穿通枝の閉塞 緩徐に進行 安静時
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題96|脳梗塞の原因疾患はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題96|脳梗塞の原因疾患はどれか。
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