学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1064

理由で解く 臨床医学各論

Q1064 神経疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題85
問題
脳血管障害について正しい記述はどれか。
選択肢
1 一過性脳虚血発作は麻痺を残さない。
2 くも膜下出血は慢性に発症する。
3 脳梗塞は若年者に多い。
4 脳血栓は過激な体動時に多い。
解答
正解1(一過性脳虚血発作は麻痺を残さない)
解説
✓ 1. 正しい
一過性脳虚血発作は麻痺を残さない。
一過性脳虚血発作(Transient Ischemic Attack, TIA)は脳血管の一時的な虚血により神経症状が出現するが、定義上24時間以内(多くは2〜15分、通常5分以内に極期に達し数分〜1時間以内)に完全に回復し、麻痺などの後遺症を残さない。ただし脳梗塞の重要な警告サインであり、TIA発症後1年以内(特に1ヵ月以内)の脳梗塞発症率は30%以上と高い。成因は微小塞栓によるものが多く、抗血小板薬(アスピリン)による治療が重要である。
✗ 2. 誤り
くも膜下出血は慢性に発症する。
くも膜下出血は脳動脈瘤の突然の破裂により発症する超急性疾患である。発症時刻を正確に言えるほど突然であり、「ハンマーで後頭部を殴られたような」激しい頭痛(雷鳴頭痛)、嘔気・嘔吐を伴う。髄膜刺激症状(項部硬直)は出血後24時間以上経過してからほぼ100%に認められる。慢性に発症することはない。
✗ 3. 誤り
脳梗塞は若年者に多い。
脳梗塞は動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を基盤とし、中高年から高齢者に多い疾患である。若年者の脳梗塞は稀で、その場合は心原性塞栓症、血管炎、血液凝固異常などの特殊な原因を考慮する必要がある。
✗ 4. 誤り
脳血栓は過激な体動時に多い。
脳血栓症は動脈硬化部位に血栓が徐々に形成されるため、安静時や睡眠中など血圧・血流が低下している時に発症することが多く、一過性脳虚血発作が先行することもある。症状は段階的に進行し、数時間から数日のうちに完成する。過激な体動時に多いのは血圧上昇による脳出血の特徴である。
ポイント
  • TIAは後遺症を残さないが脳梗塞の重要な警告サインである点を理解する
  • 24時間以内に症状が消失する定義を正確に覚える
  • 脳血管障害の発症様式の違い:くも膜下出血は超急性、脳血栓は段階的、脳塞栓は突発性
  • 脳血管障害の発症年齢と発症様式を組み合わせて覚えることで、類似問題への対応力が高まる
  • 重要用語: 一過性脳虚血発作, TIA, 24時間以内, 脳梗塞の前兆, 微小塞栓 を正確に理解しておくこと。
比較表
脳血管障害 発症様式 好発年齢 好発時間帯
脳血栓 段階的進行 中高年〜高齢者 安静時・睡眠中
脳塞栓 突発性(数分以内) 心疾患合併者 活動時
くも膜下出血 超急性 40〜60歳代 時間帯問わず
脳出血 急性 50〜70歳代 活動時・日中
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題85|脳血管障害について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題85|脳血管障害について正しい記述はどれか。
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