学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1065

理由で解く 臨床医学各論

Q1065 神経疾患

出典:あマ指 第4回(1996) 問題89
問題
脳血管障害について正しい記述はどれか。
選択肢
1 脳梗塞は若年に多い。
2 脳血栓は過激な体動時に多い。
3 クモ膜下出血は慢性に発症する。
4 一過性脳虚血発作は24 時間以内に症状が消失する。
解答
正解4(一過性脳虚血発作は24時間以内に症状が消失する)
解説
✗ 1. 誤り
脳梗塞は若年に多い。
脳梗塞は動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を基盤として発症する疾患であり、中高年から高齢者に多い。平成16年の統計では脳血管疾患の61.0%を占め、加齢とともに増加する。若年者の脳梗塞は稀であり、その場合は心原性塞栓症や特殊な原因を検索する必要がある。
✗ 2. 誤り
脳血栓は過激な体動時に多い。
脳血栓症は脳の主幹動脈またはその分枝のアテローム硬化部位に血栓が徐々に形成され閉塞する疾患である。安静時や睡眠中など血圧・血流が低下している時に発症しやすく、症状は段階的に進行する(階段状増悪)。一過性脳虚血発作が先行することも多い。過激な体動時に多いのは血圧上昇による脳出血の特徴である。
✗ 3. 誤り
クモ膜下出血は慢性に発症する。
くも膜下出血は脳動脈瘤の突然の破裂により超急性に発症する疾患である。発症時刻を正確に言えるほど突然であり、「それまで経験したことのない激しい頭痛」が突然生じる。原因の約75〜95%が脳動脈瘤破裂によるもので、慢性に発症することはない。
✓ 4. 正しい
一過性脳虚血発作は24 時間以内に症状が消失する。
一過性脳虚血発作(TIA)は、短時間の局所脳機能障害で、定義上発作持続時間が24時間未満のものである。実際には5分以内に極期に達し、持続時間は2〜15分のことが多い。24時間以上3週間以内に消失したものは可逆性虚血性神経脱落症候、3週間以上持続するものは完成卒中と呼ばれる。TIAは脳血栓症の前兆として重要で、発症後1年以内(特に1ヵ月以内)の脳梗塞発症率が高い(30%以上)ため、抗血小板薬による治療が必要である。
ポイント
  • TIAの定義「24時間以内に症状が消失」を正確に記憶する
  • 実際の持続時間は多くが2〜15分と短いことも理解する
  • TIAは脳梗塞の重要な警告サインであり、早期治療介入が必要
  • 重要用語: 一過性脳虚血発作, 24時間以内, 微小塞栓, 脳血栓の前兆, 抗血小板薬 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 発症様式 好発時間帯 前駆症状
脳血栓症 段階的進行 安静時・睡眠中 TIAが先行することあり
脳塞栓症 突発性(数分以内) 活動時 なし
脳出血 急性 活動時 なし
くも膜下出血 超急性 時間帯問わず なし
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題89|脳血管障害について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題89|脳血管障害について正しい記述はどれか。
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