学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ B. 白血球疾患 / Q1022

理由で解く 臨床医学各論

Q1022 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第1回(1993) 問題93
問題
慢性白血病で誤っているのはどれか。
選択肢
1 骨髄性とリンパ性とがある。
2 肝腫と脾腫がともにみられる。
3 出血傾向がみられる。
4 予後は良好である。
解答
正解4(予後は良好である)
解説
✗ 1.
骨髄性とリンパ性とがある。
✗ 正しい。慢性白血病は慢性骨髄性白血病(CML)と慢性リンパ性白血病(CLL)に大別される。CMLは造血幹細胞から顆粒球系への分化段階で腫瘍化し、CLLはBリンパ球系が腫瘍化したものである。両者は臨床経過や治療法が異なる。
✗ 2.
肝腫と脾腫がともにみられる。
✗ 正しい。白血病細胞の浸潤により肝腫大・脾腫大がともにみられる。特にCMLでは白血球の著増と髄外造血により著明な脾腫が特徴的所見であり、脾腫による腹部膨満感や左季肋部痛を訴えることがある。
✗ 3.
出血傾向がみられる。
✗ 正しい。白血病細胞の増殖により正常造血が抑制され、血小板減少による出血傾向(鼻出血、歯肉出血、紫斑など)がみられる。進行すると顕著になり、消化管出血や頭蓋内出血など重篤な出血を来すこともある。
✓ 4. 誤り
予後は良好である。
慢性白血病は急性白血病に比べて進行が緩やかではあるが、予後は良好とは言えない。CMLは平均生存期間が3〜5年であり、急性転化(ブラストクリーゼ)を起こすと予後不良となる。CLLは5年以上生存することが多いが、免疫能の低下により感染症や二次性悪性腫瘍を合併することがある。
ポイント
  • 慢性白血病の予後は急性白血病より良いが、「良好」とは言えない。CMLでは急性転化が予後を左右する重要な転帰である。
  • CMLの特徴:フィラデルフィア染色体(9番と22番の転座)陽性、著明な脾腫、白血球著増である。
  • CLLの特徴:高齢者に多く、Bリンパ球の腫瘍化で、免疫能の低下による感染症に注意する。
  • 重要用語: 慢性白血病、急性転化、フィラデルフィア染色体、CML、CLL を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 CML(慢性骨髄性白血病) CLL(慢性リンパ性白血病)
腫瘍化する細胞 顆粒球系 Bリンパ球系
特徴的所見 フィラデルフィア染色体陽性、著明な脾腫 成熟リンパ球様細胞増加、リンパ節腫脹
平均生存期間 3〜5年 5年以上
予後を左右する因子 急性転化(ブラストクリーゼ) 感染症・二次性悪性腫瘍
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題93|慢性白血病で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題93|慢性白血病で誤っているのはどれか。
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