学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0990

理由で解く 臨床医学各論

Q0990 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第15回(2007) 問題81
問題
鉄欠乏性貧血をきたさないのはどれか。
選択肢
1 胃切除後
2 子宮筋腫
3 高脂血症
4 痔核
解答
正解3(高脂血症)
解説
✗ 1.
胃切除後
✗ 正しい。胃切除後は胃酸分泌の低下と十二指腸のバイパスにより鉄の吸収が障害される。鉄は胃酸により還元(Fe3+からFe2+へ)され、主に十二指腸で吸収されるため、胃全摘後や幽門側胃切除後(Billroth II法など)では鉄吸収障害を来しやすい。また内因子欠乏によりビタミンB12吸収障害も生じうる。
✗ 2.
子宮筋腫
✗ 正しい。子宮筋腫は過多月経を引き起こし、慢性出血による鉄欠乏性貧血の原因となる。特に粘膜下筋腫では子宮内膜面積が増大し月経血量が著明に増加する。成人女性の鉄欠乏性貧血の主要な原因の一つである。
✓ 3. 誤り
高脂血症
高脂血症は脂質代謝異常(LDLコレステロール高値、HDLコレステロール低値、中性脂肪高値など)であり、鉄代謝とは無関係である。高脂血症は動脈硬化のリスク因子であり、虚血性心疾患や脳梗塞の原因となるが、貧血をきたすことはない。
✗ 4.
痔核
✗ 正しい。痔核は慢性的な消化管出血をきたし、鉄の喪失による鉄欠乏性貧血の原因となる。内痔核からの出血は自覚症状に乏しいことがあり、気づかないうちに慢性失血が進行して貧血を来すことがある。男性の鉄欠乏性貧血の原因として重要である。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血の原因は慢性出血・鉄吸収障害・需要増大・摂取不足の4つに分類される。
  • 胃切除後は鉄吸収障害、子宮筋腫・痔核は慢性出血による鉄喪失が機序である。
  • 男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では消化管出血(痔核、潰瘍、大腸癌など)の精査が必要である。
  • 重要用語: 鉄欠乏性貧血の原因分類・慢性出血・鉄吸収障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
鉄欠乏性貧血の原因 具体例 機序
慢性出血 月経過多、子宮筋腫、消化管出血、痔核 鉄の喪失
鉄吸収障害 胃切除後、吸収不良症候群 鉄吸収低下
需要増大 妊娠、授乳、成長期 鉄必要量増加
摂取不足 極端な偏食、菜食主義 鉄供給低下
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題81|鉄欠乏性貧血をきたさないのはどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題81|鉄欠乏性貧血をきたさないのはどれか。
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