学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0987

理由で解く 臨床医学各論

Q0987 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第14回(2006) 問題87
問題
脾腫をきたす疾患はどれか。
選択肢
1 血友病
2 溶血性貧血
3 鉄欠乏性貧血
4 再生不良性貧血
解答
正解2(溶血性貧血)
解説
✗ 1. 誤り
血友病
血友病は凝固因子(第VIII因子または第IX因子)の先天的欠乏によるX連鎖劣性遺伝の出血性疾患であり、脾腫は特徴的ではない。主症状は関節内出血や筋肉内出血で、APTTが延長しPTは正常である。血小板数や脾臓の機能は正常に保たれる。
✓ 2. 正しい
溶血性貧血
溶血性貧血では赤血球の破壊が亢進し、破壊された赤血球を処理する脾臓の機能が亢進して脾腫を来す。遺伝性球状赤血球症や自己免疫性溶血性貧血などで脾腫が認められる。黄疸・間接ビリルビン上昇・LDH上昇・ハプトグロビン低下・網赤血球増加も随伴する。
✗ 3. 誤り
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は鉄不足によるヘモグロビン合成障害で生じる小球性低色素性貧血であり、脾腫は生じない。特徴的症状はスプーン状爪・舌炎であり、血清鉄低下・フェリチン低下・TIBC上昇が検査所見の特徴である。
✗ 4. 誤り
再生不良性貧血
再生不良性貧血は骨髄の造血幹細胞障害による骨髄低形成と汎血球減少を呈する疾患であり、脾腫は通常みられない。むしろ脾臓は正常〜やや縮小することがある。
ポイント
  • 溶血性貧血では脾臓での赤血球破壊が亢進し脾腫を来す。脾摘により溶血が軽減することがある。
  • 脾腫を来す血液疾患:溶血性貧血・慢性骨髄性白血病・骨髄線維症・悪性リンパ腫が代表的である。
  • 肝硬変による門脈圧亢進も脾腫の重要な原因である(うっ血性脾腫)。
  • 重要用語: 溶血性貧血・脾腫・脾臓の機能亢進 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 脾腫 主な病態
溶血性貧血 あり 赤血球破壊亢進による脾臓機能亢進
慢性骨髄性白血病 あり(著明) 白血病細胞の脾臓浸潤
肝硬変 あり 門脈圧亢進によるうっ血性脾腫
悪性リンパ腫 あり リンパ腫細胞の脾臓浸潤
鉄欠乏性貧血 なし 鉄不足によるHb合成障害
再生不良性貧血 なし 骨髄の造血幹細胞障害
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題87|脾腫をきたす疾患はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題87|脾腫をきたす疾患はどれか。
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