学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0986

理由で解く 臨床医学各論

Q0986 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第14回(2006) 問題86
問題
貧血について誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 悪性貧血 ― ビタミンB12欠乏
2 鉄欠乏性貧血 ― 総鉄結合能低下
3 溶血性貧血 ― 黄疸
4 再生不良性貧血 ― 骨髄の造血細胞減少
解答
正解2(鉄欠乏性貧血 ― 総鉄結合能低下)
解説
✗ 1.
悪性貧血 ― ビタミンB12欠乏
✗ 正しい。悪性貧血はビタミンB12欠乏(内因子欠乏による吸収障害)が原因の巨赤芽球性貧血である。胃粘膜の萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)により内因子が分泌されず、ビタミンB12が回腸で吸収されない。抗内因子抗体・抗胃壁細胞抗体が陽性となり、ハンター舌炎や末梢神経障害を伴う。
✓ 2. 誤り
鉄欠乏性貧血 ― 総鉄結合能低下
鉄欠乏性貧血では鉄を運搬するトランスフェリンが代償的に増加するため、総鉄結合能(TIBC)は上昇する。低下ではない。血清鉄は低下するが、鉄と結合していないトランスフェリン(不飽和鉄結合能:UIBC)が増加するため、TIBCは増加する。TIBCが低下するのは慢性炎症性貧血やたんぱく質欠乏状態である。
✗ 3.
溶血性貧血 ― 黄疸
✗ 正しい。溶血性貧血では赤血球の破壊により遊離したヘモグロビンが分解され、間接ビリルビンが増加し黄疸をきたす。肝臓でのビリルビン処理能力を超えると血中の間接ビリルビンが上昇する。LDH上昇・ハプトグロビン低下・網赤血球増加も特徴的所見である。
✗ 4.
再生不良性貧血 ― 骨髄の造血細胞減少
✗ 正しい。再生不良性貧血では骨髄の多能性造血幹細胞が減少し、骨髄が低形成となり脂肪髄化する。骨髄検査では造血細胞(赤芽球・顆粒球系細胞・巨核球)が著明に減少し、脂肪組織に置き換わっている所見が認められる。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血ではTIBC(総鉄結合能)・UIBC(不飽和鉄結合能)ともに上昇する。TIBC = 血清鉄 + UIBC の関係が成り立つ。
  • 慢性炎症性貧血ではTIBCが低下するため、鉄欠乏性貧血との鑑別に有用である。
  • 「誤っている組合せ」を問う問題では、正しい組合せを確実に覚えておくことが重要である。
  • 重要用語: TIBC・UIBC・トランスフェリン を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 鉄欠乏性貧血 慢性炎症性貧血 正常
血清鉄 低下 低下 正常
TIBC(総鉄結合能) 増加 低下 正常
UIBC(不飽和鉄結合能) 増加 低下〜正常 正常
血清フェリチン 低下 正常〜増加 正常
トランスフェリン飽和度 低下 低下 正常
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題86|貧血について誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題86|貧血について誤っている組合せはどれか。
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