学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0985

理由で解く 臨床医学各論

Q0985 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第13回(2005) 問題85
問題
貧血について誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 鉄欠乏性貧血 ― 血清フェリチン増加
2 巨赤芽球性貧血 ― ビタミンB12欠乏
3 溶血性貧血 ― 脾腫
4 再生不良性貧血 ― 汎血球減少
解答
正解1(鉄欠乏性貧血 ― 血清フェリチン増加)
解説
✓ 1. 誤り
鉄欠乏性貧血 ― 血清フェリチン増加
鉄欠乏性貧血では体内の貯蔵鉄が枯渇するため、血清フェリチンは低下する。フェリチンは鉄貯蔵たんぱくであり、血清フェリチン値は体内の貯蔵鉄量を反映する指標である。鉄欠乏性貧血の早期診断に有用で、ヘモグロビンが低下する前から血清フェリチンは低下する。フェリチンが増加するのは鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)や炎症性疾患である。
✗ 2.
巨赤芽球性貧血 ― ビタミンB12欠乏
✗ 正しい。巨赤芽球性貧血はビタミンB12または葉酸の欠乏により、DNA合成障害から骨髄に巨赤芽球が出現する大球性貧血である。核の成熟が細胞質の成熟に比べて遅れるため、核が大きく未熟な赤芽球(巨赤芽球)が認められる。ハンター舌炎や末梢神経障害を伴う。
✗ 3.
溶血性貧血 ― 脾腫
✗ 正しい。溶血性貧血では赤血球の破壊亢進に伴い、赤血球の処理を担う脾臓が腫大する(脾腫)。遺伝性球状赤血球症や自己免疫性溶血性貧血などで脾腫が認められ、脾摘により溶血が軽減することがある。黄疸・間接ビリルビン上昇・LDH上昇・ハプトグロビン低下も特徴的である。
✗ 4.
再生不良性貧血 ― 汎血球減少
✗ 正しい。再生不良性貧血では骨髄の多能性造血幹細胞の障害により、赤血球・白血球・血小板すべてが減少する汎血球減少を呈する。骨髄は低形成となり脂肪髄化する。貧血症状、易感染性、出血傾向の3つが同時に認められる。
ポイント
  • 血清フェリチンは体内貯蔵鉄の指標であり、鉄欠乏性貧血では低下する。フェリチン高値は鉄過剰症・炎症・悪性腫瘍を示唆する。
  • 鉄欠乏性貧血の検査所見:血清鉄低下・フェリチン低下・TIBC上昇・UIBC上昇が特徴的である。
  • 各貧血の「原因―検査所見―随伴症状」の組合せを正確に覚えることが国試対策の要である。
  • 重要用語: 血清フェリチン・貯蔵鉄・TIBC を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 鉄欠乏性貧血 慢性炎症性貧血 鉄過剰症
血清鉄 低下 低下 増加
血清フェリチン 低下 正常〜増加 増加
TIBC 増加 低下 低下
UIBC 増加 正常〜低下 低下
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題85|貧血について誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題85|貧血について誤っている組合せはどれか。
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