学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0984

理由で解く 臨床医学各論

Q0984 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第12回(2004) 問題85
問題
12-85貧血と病態との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 鉄欠乏性貧血 ― 骨髄赤芽球増加
2 悪性貧血 ― ビタミンB6欠乏
3 溶血性貧血 ― 脾腫
4 再生不良性貧血 ― 白血球減少
解答
正解2(悪性貧血 ― ビタミンB6 欠乏)
解説
✗ 1.
鉄欠乏性貧血 ― 骨髄赤芽球増加
✗ 正しい。鉄欠乏性貧血では鉄不足により赤血球産生が不十分となるが、貧血に対する代償反応としてエリスロポエチンが増加し骨髄で赤芽球が増加する。しかし鉄不足のため成熟赤血球の産生は十分に増えず、小球性低色素性貧血を呈する。
✓ 2. 誤り
悪性貧血 ― ビタミンB6欠乏
悪性貧血はビタミンB12の欠乏(内因子欠乏による吸収障害)が原因であり、ビタミンB6欠乏ではない。胃粘膜の萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)により内因子の分泌が低下し、ビタミンB12が回腸で吸収されず、核酸代謝障害による巨赤芽球性貧血を呈する。ビタミンB6欠乏は鉄芽球性貧血の原因であり、悪性貧血とは異なる。
✗ 3.
溶血性貧血 ― 脾腫
✗ 正しい。溶血性貧血では赤血球の破壊が亢進し、破壊された赤血球を処理するため脾臓が腫大する(脾腫)。脾臓は異常赤血球を捕捉・破壊する臓器であり、溶血が持続すると脾臓の機能が亢進して腫大する。黄疸・胆石も合併しやすい。
✗ 4.
再生不良性貧血 ― 白血球減少
✗ 正しい。再生不良性貧血では骨髄の多能性造血幹細胞が障害されるため、赤血球だけでなく白血球・血小板も減少する(汎血球減少)。白血球減少により易感染性となり、肺炎や敗血症などの重症感染症を合併しやすい。
ポイント
  • 悪性貧血の原因はビタミンB12欠乏であり、ビタミンB6欠乏(鉄芽球性貧血の原因)とは区別する。
  • ビタミンB6欠乏では鉄芽球性貧血を来し、骨髄で環状鉄芽球が認められる。
  • 溶血性貧血の3大特徴は黄疸(間接ビリルビン上昇)、脾腫、網赤血球増加である。
  • 重要用語: 悪性貧血, ビタミンB12, ビタミンB6, 鉄芽球性貧血 を正確に理解しておくこと。
比較表
貧血の種類 欠乏物質 骨髄所見 赤血球形態
鉄欠乏性貧血 赤芽球増加 小球性低色素性
悪性貧血 ビタミンB12 巨赤芽球 大球性正色素性
葉酸欠乏性貧血 葉酸 巨赤芽球 大球性正色素性
鉄芽球性貧血 ビタミンB6など 環状鉄芽球 小球性低色素性~正球性
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題85|12-85貧血と病態との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題85|12-85貧血と病態との組合せで誤っているのはどれか。
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