学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0983

理由で解く 臨床医学各論

Q0983 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題75
問題
鉄欠乏性貧血の症状でないのはどれか。
選択肢
1 スプーン状爪
2 舌乳頭萎縮
3 チアノーゼ
4 頻脈
解答
正解3(チアノーゼ)
解説
✗ 1.
スプーン状爪
✗ 正しい。鉄欠乏により爪が薄く脆くなり、スプーン状(匙状爪)に変形する。爪の中央が凹んで縁が反り返る特徴的な所見で、鉄欠乏性貧血に特有の症状である。鉄含有酵素の活性低下により上皮組織が障害されることで生じる。
✗ 2.
舌乳頭萎縮
✗ 正しい。鉄欠乏により上皮細胞の再生が障害され、舌乳頭の萎縮がみられる。舌が平滑化し光沢を帯びた外観となる(萎縮性舌炎)。食事時の痛みや味覚異常を伴うこともある。プランマー・ビンソン症候群(鉄欠乏+舌炎+嚥下障害)の一症状でもある。
✓ 3. 誤り
チアノーゼ
チアノーゼは鉄欠乏性貧血の症状ではない。チアノーゼは還元ヘモグロビンの増加(毛細血管血中に5g/dL以上)により皮膚・粘膜が青紫色を呈する状態である。貧血ではヘモグロビン総量が減少しているため、たとえ酸素化が不十分でも還元ヘモグロビンが絶対量として増加しにくく、チアノーゼは出現しない。貧血では蒼白となる。
✗ 4.
頻脈
✗ 正しい。貧血による酸素運搬能低下を心拍出量増加で代償するため頻脈(動悸)がみられる。心臓は拍出量を増やして全身への酸素供給を維持しようとするため、安静時でも心拍数が増加し、労作時にはさらに著明な頻脈となる。
ポイント
  • チアノーゼは還元ヘモグロビン増加で生じるが、貧血ではHb総量が減少しているため出現しない。貧血の皮膚所見は蒼白である。
  • 鉄欠乏性貧血に特異的な症状:スプーン状爪(匙状爪)、舌乳頭萎縮(萎縮性舌炎)、嚥下障害(プランマー・ビンソン症候群)。
  • 貧血の一般症状(Hb低下による酸素不足):頻脈、息切れ、易疲労感、めまい、顔面蒼白。
  • 重要用語: チアノーゼ, 還元ヘモグロビン, 匙状爪, 舌乳頭萎縮 を正確に理解しておくこと。
比較表
症状分類 具体的症状 発症機序
一般的貧血症状 顔面蒼白、易疲労感、息切れ、頻脈、めまい Hb減少→組織酸素不足と代償反応
鉄欠乏に特有の症状 スプーン状爪、舌乳頭萎縮、嚥下障害、異食症 鉄含有酵素活性低下→上皮障害
貧血で出現しない所見 チアノーゼ Hb総量減少のため還元Hb≧5g/dLに達しない
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題75|鉄欠乏性貧血の症状でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題75|鉄欠乏性貧血の症状でないのはどれか。
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