学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0979

理由で解く 臨床医学各論

Q0979 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題77
問題
貧血とその原因との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 鉄欠乏性貧血 ― 慢性出血
2 悪性貧血 ― 赤血球の崩壊亢進
3 遺伝性球状赤血球症 ― 赤血球の浸透圧抵抗減弱
4 再生不良性貧血 ― 骨髄の低形成
解答
正解2(悪性貧血 ― 赤血球の崩壊亢進)
解説
✗ 1.
鉄欠乏性貧血 ― 慢性出血
✗ 正しい。鉄欠乏性貧血は月経過多・消化管出血(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、痔核など)・子宮筋腫などの慢性出血により鉄が持続的に喪失し発症する。慢性出血による鉄喪失は成人女性の鉄欠乏性貧血の最も多い原因である。偏食や胃切除後の吸収障害も原因となる。
✓ 2. 誤り
悪性貧血 ― 赤血球の崩壊亢進
悪性貧血はビタミンB12の吸収障害(内因子欠乏)による巨赤芽球性貧血であり、赤血球の崩壊亢進(溶血)が原因ではない。胃粘膜の萎縮により内因子の分泌が低下し、ビタミンB12が回腸で吸収されず、核酸代謝障害による無効造血を来す。赤血球崩壊亢進は溶血性貧血の病態であり、悪性貧血とは異なる。
✗ 3.
遺伝性球状赤血球症 ― 赤血球の浸透圧抵抗減弱
✗ 正しい。遺伝性球状赤血球症は赤血球膜たんぱく(スペクトリン、アンキリンなど)の遺伝的異常により、赤血球が球状化し浸透圧抵抗が減弱する。低張液中で溶血しやすくなり、脾臓で捕捉され破壊される溶血性貧血である。治療は脾摘が有効である。
✗ 4.
再生不良性貧血 ― 骨髄の低形成
✗ 正しい。再生不良性貧血は多能性造血幹細胞の障害により骨髄が低形成となり、脂肪髄化することで汎血球減少を呈する。骨髄検査では造血細胞が著明に減少し、脂肪組織に置き換わっている所見が認められる。血清鉄・フェリチンは上昇する。
ポイント
  • 悪性貧血の原因は内因子欠乏によるビタミンB12吸収障害であり、溶血(赤血球崩壊亢進)ではない。
  • 溶血性貧血の原因には遺伝性球状赤血球症(膜異常)と自己免疫性溶血性貧血(自己抗体)がある。
  • 悪性貧血では無効造血(骨髄内で赤芽球が成熟前に破壊)が起こるが、末梢での溶血とは異なる。
  • 重要用語: 悪性貧血, 内因子欠乏, 無効造血, 溶血性貧血 を正確に理解しておくこと。
比較表
貧血の種類 原因 発症機序
鉄欠乏性貧血 慢性出血、需要増大、摂取不足 鉄不足によるHb合成障害
悪性貧血 内因子欠乏(自己免疫) ビタミンB12吸収障害→無効造血
溶血性貧血 赤血球膜異常、自己抗体など 赤血球崩壊亢進(溶血)
再生不良性貧血 造血幹細胞障害 骨髄低形成→汎血球減少
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題77|貧血とその原因との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題77|貧血とその原因との組合せで誤っているのはどれか。
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