学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ D. 血圧異常 / Q0971

理由で解く 臨床医学各論

Q0971 循環器疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題68
問題
高血圧症について正しいのはどれか。
選択肢
1 多くは頭痛を主訴とする。
2 原因の 90%以上は遺伝的要因である。
3 食事療法ではカリウム摂取を制限する。
4 罹患率は年齢とともに増加する。
解答
正解4(罹患率は年齢とともに増加する。)
解説
✗ 1. 誤り
多くは頭痛を主訴とする。
高血圧症の大多数は無症状で経過する。高血圧が「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれるのは、自覚症状がないまま動脈硬化が進行し、脳出血や心筋梗塞などの重篤な合併症を引き起こすためである。著しい高血圧の場合に頭痛や頭重感を感じることはあるが、多くの患者は頭痛を主訴としない。
✗ 2. 誤り
原因の 90%以上は遺伝的要因である。
高血圧の約90〜95%は本態性高血圧であるが、これは遺伝的要因のみが原因ではなく、遺伝的素因(30〜60%程度の関与)に環境因子(食塩過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、アルコール多飲、喫煙など)が加わって発症する多因子疾患である。「90%以上が遺伝的要因」は不正確である。
✗ 3. 誤り
食事療法ではカリウム摂取を制限する。
カリウムには降圧効果があるため、高血圧の食事療法ではカリウムの摂取を制限するのではなく、むしろ積極的な摂取が推奨される。野菜や果物に多く含まれるカリウムはナトリウムの尿中排泄を促進し、血圧を低下させる作用がある。制限すべきはナトリウム(食塩:1日7g以下)である。
✓ 4. 正しい
罹患率は年齢とともに増加する。
高血圧症の罹患率は年齢とともに増加する。30歳以上の男性で約52%、女性で約40%が高血圧であり、年齢が増すとともにその頻度は急激に増加する。加齢により動脈壁の弾性が低下し、血管抵抗が増大するため、収縮期血圧が上昇する傾向がある。
ポイント
  • 高血圧は無症状のことが多く(サイレントキラー)、罹患率は加齢とともに増加する。
  • 食事療法では塩分(ナトリウム)制限(1日7g以下)が最重要であり、カリウムは制限ではなく積極的摂取が推奨される。
  • 本態性高血圧は遺伝的素因(30〜60%)+環境因子の多因子疾患であり、遺伝のみが原因ではない。
  • 重要用語: 高血圧、本態性高血圧、サイレントキラー、塩分制限、カリウム摂取 を正確に理解しておくこと。
比較表
治療項目 具体的内容
塩分制限 1日7g以下
体重管理 BMI 22を目標
アルコール制限 1日1合前後
運動 適度な有酸素運動
禁煙 喫煙は危険因子
薬物療法 利尿薬、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、β遮断薬、ARB
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題68|高血圧症について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題68|高血圧症について正しいのはどれか。
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