学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ C. 動脈疾患 / Q0958

理由で解く 臨床医学各論

Q0958 循環器疾患

出典:あマ指 第10回(2002) 問題86
問題
血管疾患で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 閉塞性血栓血管炎 ― 阻血性潰瘍
2 大動脈炎症候群 ― 下肢血圧低下
3 静脈血栓症 ― 浮腫
4 レイノー病 ― 皮膚温上昇
解答
正解4(レイノー病 ― 皮膚温上昇)
解説
✗ 1.
閉塞性血栓血管炎 ― 阻血性潰瘍
✗ 正しい。閉塞性血栓血管炎(バージャー病)は四肢末梢の中小動脈に血栓性閉塞をきたす疾患であり、若年男性の喫煙者に好発する。末梢動脈の閉塞により血流が途絶すると阻血性潰瘍や壊疽が生じる。この組合せは正しい。
✗ 2.
大動脈炎症候群 ― 下肢血圧低下
✗ 正しい。大動脈炎症候群(高安動脈炎)は大動脈弓部とその分枝に炎症をきたす疾患で、若年女性に好発する。大動脈弓部から分枝する血管の狭窄により上肢の脈拍減弱がみられるほか、大動脈の狭窄部位によっては下肢血圧の低下も認められる。この組合せは正しい。
✗ 3.
静脈血栓症 ― 浮腫
✗ 正しい。静脈血栓症(深部静脈血栓症)は下肢深部静脈に血栓が形成され、静脈還流が障害される疾患である。静脈うっ滞により患肢の浮腫・腫脹・疼痛が生じる。血栓が遊離すると肺塞栓症を合併する危険がある。この組合せは正しい。
✓ 4. 誤り
レイノー病 ― 皮膚温上昇
レイノー病は寒冷刺激やストレスにより手指の細動脈が攣縮し、血流が低下する疾患である。発作時には動脈血の流入が減少するため皮膚温は上昇ではなく低下する。手指が蒼白→チアノーゼ→紅潮の三色変化を呈し、蒼白期・チアノーゼ期には皮膚温が明らかに低下する。
ポイント
  • レイノー病は細動脈攣縮による血流低下が病態の本質であり、皮膚温は低下する(上昇しない)。紅潮期は攣縮解除後の反応性充血であり一時的に皮膚温が上昇するが、主症状としては皮膚温低下が正しい。
  • バージャー病(閉塞性血栓血管炎)とASO(閉塞性動脈硬化症)の鑑別が重要:バージャー病は若年喫煙男性に好発し四肢末梢の中小動脈を侵す。ASOは高齢者の大動脈から下肢動脈の動脈硬化が原因である。
  • 深部静脈血栓症では下肢の浮腫・腫脹が特徴であり、血栓が遊離すると肺塞栓症を合併する危険がある。
  • 重要用語: レイノー病, 皮膚温低下, バージャー病, 深部静脈血栓症, 大動脈炎症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
血管疾患 好発 主な症状
バージャー病 若年喫煙男性 阻血性潰瘍・間欠跛行
大動脈炎症候群 若年女性 上肢脈拍減弱・下肢血圧低下
深部静脈血栓症 長時間不動・術後 患肢浮腫・腫脹
レイノー病 女性に多い 手指の三色変化・皮膚温低下
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題86|血管疾患で誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題86|血管疾患で誤っている組合せはどれか。
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