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理由で解く 臨床医学各論

Q0930 循環器疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題79
問題
「71歳の女性。1週間前から労作時の胸痛を自覚していたが、安静で症状は軽減したため放置していた。しかし、昨日より安静時でも胸痛が起こるようになり、救急受診した。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。
選択肢
1 低血糖
2 低血圧
3 低HDL血症
4 低アルブミン血症
解答
正解3(低HDL血症)
解説
✗ 1. 誤り
低血糖
低血糖は糖尿病治療中のインスリンや経口血糖降下薬の過剰投与で生じるものであり、冠動脈疾患の直接的な危険因子ではない。なお、糖尿病自体は冠動脈疾患の重要な危険因子であるが、低血糖は糖尿病の合併症であって危険因子とは区別される。
✗ 2. 誤り
低血圧
高血圧は冠動脈疾患の重要な危険因子であるが、低血圧は危険因子ではない。むしろ低血圧は冠動脈の灌流圧低下を招く可能性はあるものの、動脈硬化の促進因子としては高血圧が重要である。
✓ 3. 正しい
低HDL血症
低HDL血症は冠動脈疾患(虚血性心疾患)の重要な危険因子である。HDL(高比重リポたんぱく)は末梢血管に蓄積したコレステロールを除去し動脈硬化に対して防御的に作用する「善玉コレステロール」であり、その低下は動脈硬化を促進させる。本症例は労作時胸痛から安静時胸痛へと増悪しており、不安定狭心症(急性冠症候群)が疑われ、動脈硬化の危険因子が問われている。
✗ 4. 誤り
低アルブミン血症
低アルブミン血症は栄養状態やタンパク質合成能の低下を反映する指標であり、肝硬変やネフローゼ症候群などでみられる。冠動脈疾患の主要な危険因子としては位置づけられていない。
ポイント
  • 虚血性心疾患の危険因子は加齢、高脂血症(高LDL・低HDL)、高血圧、糖尿病、肥満、高尿酸血症、喫煙、ストレスなどである。「低」が付くもので危険因子となるのは低HDL血症のみであることを覚えておく。
  • HDL(善玉コレステロール)は末梢血管に蓄積したコレステロールを除去し動脈硬化に対して防御的に作用するため、その低下は動脈硬化を促進させる。
  • 労作時胸痛が安静時にも出現するようになった場合は、安定狭心症から不安定狭心症への移行を示し、急性心筋梗塞への進展リスクが高い。
  • 重要用語: 低HDL血症, 虚血性心疾患の危険因子, 不安定狭心症, 急性冠症候群 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題79|「71歳の女性。1週間前から労作時の胸痛を自覚していたが、安静で症状は軽減したため放置していた。しかし、昨日より安静時でも胸痛が起こるようになり、救急受診した。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題79|「71歳の女性。1週間前から労作時の胸痛を自覚していたが、安静で症状は軽減したため放置していた。しかし、昨日より安静時でも胸痛が起こるようになり、救急受診した。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。
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