学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0916

理由で解く 臨床医学各論

Q0916 循環器疾患

出典:あマ指 第30回(2022) 問題56
問題
失神を最もきたしやすいのはどれか。
選択肢
1 僧帽弁狭窄症
2 僧帽弁閉鎖不全症
3 大動脈弁狭窄症
4 大動脈弁閉鎖不全症
解答
正解3(大動脈弁狭窄症)
解説
✗ 1. 誤り
僧帽弁狭窄症
僧帽弁狭窄症の主症状は肺うっ血による呼吸困難(労作時呼吸苦、起座呼吸、夜間発作性呼吸困難)であり、左房の拡大による心房細動の合併が特徴的である。失神は僧帽弁狭窄症の主要症状ではなく、大動脈弁狭窄症に比べると頻度は低い。
✗ 2. 誤り
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症の主症状は慢性型では疲労感、労作時呼吸苦、起座呼吸であり、急性型では急性肺うっ血を伴う左心不全と心原性ショックがみられる。失神は僧帽弁閉鎖不全症の代表的症状には含まれない。
✓ 3. 正しい
大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症は失神を最もきたしやすい弁膜症である。弁口の狭窄により心拍出量が増加できないまま、労作時に骨格筋への血流が増加するため動脈圧が低下し、脳への血流が低下して失神が生じる。失神は体動時や体位変換時に多く出現する。大動脈弁狭窄症の3大症状は「労作時呼吸苦・狭心症状・失神」であり、症状出現から死亡までの平均期間は狭心症状後5年、失神後3年、呼吸苦後2年とされる。
✗ 4. 誤り
大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁閉鎖不全症の慢性型では左室の代償期が長く長期間無症状であるが、末期には労作時呼吸困難や左心不全症状が出現し急速に進行する。脈圧の増大による体全体の揺れや頭部の揺れがみられるが、失神は大動脈弁狭窄症ほど特徴的ではない。
ポイント
  • 大動脈弁狭窄症の3大症状は「労作時呼吸苦・狭心症状・失神」であり、各症状出現後の平均生存期間は呼吸苦2年、失神3年、狭心症5年である。
  • 失神をきたす弁膜症として大動脈弁狭窄症が最も重要であり、他の弁膜症との鑑別のポイントとなる。
  • 大動脈弁狭窄症の失神は心拍出量の不足による脳灌流の低下が原因であり、労作時や体位変換時に多い。
  • 重要用語: 大動脈弁狭窄症、失神、3大症状、心拍出量低下 を正確に理解しておくこと。
比較表
弁膜症 主な症状 失神の頻度
大動脈弁狭窄症 労作時呼吸苦・狭心症状・失神 高い
大動脈弁閉鎖不全症 労作時呼吸困難・左心不全 低い
僧帽弁狭窄症 呼吸困難・心房細動 低い
僧帽弁閉鎖不全症 疲労感・労作時呼吸苦 低い
解説画像
あマ指 第30回(2022) 問題56|失神を最もきたしやすいのはどれか。 解説図
あマ指 第30回(2022) 問題56|失神を最もきたしやすいのはどれか。
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