学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0908

理由で解く 臨床医学各論

Q0908 循環器疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題67
問題
閉塞性肥大型心筋症でみられるのはどれか。
選択肢
1 大動脈圧上昇
2 突然死
3 胸部大動脈瘤
4 肺動脈弁狭窄症
解答
正解2(突然死)
解説
✗ 1. 誤り
大動脈圧上昇
閉塞性肥大型心筋症(HOCM)では心室中隔の非対称性肥厚により左室流出路が狭窄するため、大動脈への血液駆出が障害される。その結果、大動脈圧はむしろ低下する傾向にあり、大動脈圧上昇はみられない。
✓ 2. 正しい
突然死
閉塞性肥大型心筋症は若年者の突然死の原因として最も重要な疾患の一つである。肥大した心筋を基盤として心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈が発生しやすく、特に激しい運動時や脱水時に左室流出路閉塞が増悪することで突然死のリスクが高まる。スポーツ選手の突然死の原因としてもよく知られている。
✗ 3. 誤り
胸部大動脈瘤
胸部大動脈瘤は動脈硬化やマルファン症候群、ベーチェット病などによる大動脈壁の脆弱性が原因で生じる疾患である。閉塞性肥大型心筋症は心筋の疾患であり、大動脈瘤を合併する関連はない。
✗ 4. 誤り
肺動脈弁狭窄症
肺動脈弁狭窄症は先天性心疾患として生じることが多い弁膜症であり、閉塞性肥大型心筋症とは異なる病態である。HOCMにおける狭窄は弁ではなく左室流出路(心室中隔の肥厚部位)に生じる。
ポイント
  • 閉塞性肥大型心筋症(HOCM)は心室中隔の非対称性肥厚による左室流出路狭窄が特徴であり、若年者の運動中突然死の主要原因である。
  • HOCMの左室流出路狭窄は「弁」の狭窄ではなく「流出路」の動的狭窄であり、大動脈弁狭窄症とは機序が異なる点に注意。
  • 肥大型心筋症は常染色体優性遺伝が多く、遺伝性のサルコメア蛋白遺伝子変異が原因であり、生活習慣病ではない点を区別する。
  • 重要用語: 閉塞性肥大型心筋症, 左室流出路狭窄, 突然死, 非対称性中隔肥厚 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題67|閉塞性肥大型心筋症でみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題67|閉塞性肥大型心筋症でみられるのはどれか。
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