学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0907

理由で解く 臨床医学各論

Q0907 循環器疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題68
問題
心房中隔欠損症で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 欠損は卵円孔型が多い。
2 肺動脈領域に収縮期雑音を聴取する。
3 右房の拡大がみられる。
4 肺血流量が体血流量より少ない。
解答
正解4(肺血流量が体血流量より少ない)
解説
✗ 1.
欠損は卵円孔型が多い。
✗ 正しい。この記述は正しい内容であり、誤っている記述ではない。心房中隔欠損症は欠損の部位により一次孔欠損と二次孔欠損に分けられ、二次孔欠損(卵円孔型)が最も多くみられる。卵円孔部は胎生期に心房中隔が形成される部位であり、この部位の閉鎖不全により二次孔型心房中隔欠損症が生じる。
✗ 2.
肺動脈領域に収縮期雑音を聴取する。
✗ 正しい。この記述は正しい内容であり、誤っている記述ではない。心房中隔欠損症では左房から右房へ血液が短絡(左→右シャント)するため、右房・右室の容量負荷により肺血流量が増加する。肺血流量の増加により相対的肺動脈弁狭窄が生じ、肺動脈領域(胸骨左縁第2〜3肋間)に収縮期駆出性雑音が聴取される。
✗ 3.
右房の拡大がみられる。
✗ 正しい。この記述は正しい内容であり、誤っている記述ではない。心房中隔欠損症では左房から右房へ血液が短絡するため、右房に容量負荷がかかり右房は拡大する。右室も容量負荷により拡大し、胸部X線写真では肺動脈主幹部の突出と右房・右室の拡大がみられる。
✓ 4. 誤り
肺血流量が体血流量より少ない。
この記述が誤っている記述である。心房中隔欠損症では左房から右房へ血液が短絡(左→右シャント)するため、肺血流量は体血流量より増加する(少なくはならない)。肺血流量/体血流量比(Qp/Qs)は通常2〜3程度となる。長期間の肺血流量増加により肺高血圧を来すと、将来的にアイゼンメンゲル症候群(右→左シャントへの逆転)に移行する可能性がある。
ポイント
  • 心房中隔欠損症では左→右シャントにより肺血流量が体血流量より増加する。
  • 二次孔欠損(卵円孔型)が最も多く、乳幼児期には症状はなく学童期に発見されることが多い。
  • 右房・右室の拡大と肺動脈領域での収縮期雑音が特徴的である。
  • 長期的には肺高血圧からアイゼンメンゲル症候群への移行に注意が必要である。
  • 重要用語: 心房中隔欠損症, 左→右シャント, 肺血流量増加, 二次孔欠損, 右房・右室拡大 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 心房中隔欠損症の所見
欠損部位 二次孔(卵円孔)型が最多
シャント 左→右シャント
肺血流量 体血流量より増加(Qp/Qs > 1)
心腔の変化 右房・右室拡大
聴診所見 肺動脈領域の収縮期雑音
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題68|心房中隔欠損症で誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題68|心房中隔欠損症で誤っている記述はどれか。
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