学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ I. その他の整形外科疾患 / Q0881

理由で解く 臨床医学各論

Q0881 整形外科疾患

出典:あマ指 第34回(2026) 問題58
問題
肘部管症候群でみられるのはどれか。
選択肢
1 横手根靱帯の肥厚
2 小指のしびれ
3 ファレンテスト陽性
4 母指球筋の萎縮
解答
正解2(小指のしびれ)
解説
✗ 1. 誤り
横手根靱帯の肥厚
横手根靱帯の肥厚は手根管症候群でみられる所見であり、肘部管症候群とは異なる。 手根管症候群は手関節部で正中神経が横手根靱帯(屈筋支帯)により圧迫される疾患である。
✓ 2. 正しい
小指のしびれ
肘部管症候群では小指のしびれがみられる。 肘部管症候群は肘部で尺骨神経が圧迫・牽引される疾患であり、尺骨神経支配領域である小指と環指尺側のしびれ・感覚障害が出現する。進行すると骨間筋・小指球筋の萎縮により鷲手変形(claw hand)をきたし、フロマン徴候(母指内転筋の筋力低下)が陽性となる。
✗ 3. 誤り
ファレンテスト陽性
ファレンテスト(Phalen test)は手根管症候群の診断に用いる検査であり、肘部管症候群の検査ではない。 手関節を掌屈位に保持し正中神経領域のしびれが誘発されるかを確認する。肘部管症候群ではティネル徴候(肘部の尺骨神経溝を叩くとしびれが放散)が用いられる。
✗ 4. 誤り
母指球筋の萎縮
母指球筋の萎縮は手根管症候群(正中神経障害)でみられる所見であり、肘部管症候群の所見ではない。 肘部管症候群(尺骨神経障害)では母指球筋ではなく、骨間筋や小指球筋(小指外転筋など)の萎縮がみられる。
ポイント
  • 肘部管症候群は肘部での尺骨神経障害であり、小指・環指尺側のしびれと骨間筋・小指球筋の萎縮が特徴である
  • 横手根靱帯の肥厚・ファレンテスト陽性・母指球筋の萎縮はいずれも手根管症候群(正中神経障害)の所見であり、肘部管症候群との鑑別が重要である
  • 肘部管症候群ではティネル徴候(肘部叩打)とフロマン徴候が診断に用いられる
  • 重要用語: 尺骨神経, 小指しびれ, 鷲手変形, フロマン徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 肘部管症候群 手根管症候群
障害神経 尺骨神経 正中神経
圧迫部位 肘部管(肘部) 手根管(手関節)
しびれ領域 小指・環指尺側 母指〜環指橈側
筋萎縮 骨間筋・小指球筋 母指球筋
変形 鷲手変形 猿手
検査 ティネル徴候(肘部)・フロマン徴候 ファレンテスト・ティネル徴候(手根管部)
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題58|肘部管症候群でみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題58|肘部管症候群でみられるのはどれか。
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