学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ C. 動脈疾患 / Q0962

理由で解く 臨床医学各論

Q0962 循環器疾患

出典:あマ指 第34回(2026) 問題57
問題
動脈硬化症について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 脳梗塞の原因となる。
2 血管の弾性は亢進する。
3 HDLコレステロールはアテローム形成を促進する。
4 アテローム形成の評価は腹部大動脈で行う。
解答
正解1(脳梗塞の原因となる)
解説
✓ 1. 正しい
脳梗塞の原因となる。
動脈硬化症は脳梗塞の原因となる。動脈硬化により脳動脈が狭窄・閉塞すると脳血栓(アテローム血栓性脳梗塞)を生じる。また、頸動脈の動脈硬化部位からの血栓が脳に飛んで脳塞栓を起こすこともある。動脈硬化は脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症など様々な動脈疾患の基盤病変である。
✗ 2. 誤り
血管の弾性は亢進する。
動脈硬化症では血管の弾性は亢進ではなく低下する。動脈壁の内膜にコレステロール(アテローム)が沈着し、中膜の平滑筋が線維化・石灰化することで、血管は硬くなり弾力性を失う。これにより収縮期血圧の上昇や脈圧の増大がみられる。
✗ 3. 誤り
HDLコレステロールはアテローム形成を促進する。
HDL(高比重リポたんぱく)コレステロールはアテローム形成を促進するのではなく、抑制する。HDLは末梢血管に蓄積したコレステロールを除去し、肝臓へ逆転送する働きがあり、いわゆる「善玉コレステロール」と呼ばれる。アテローム形成を促進するのはLDL(低比重リポたんぱく)コレステロール(悪玉コレステロール)である。
✗ 4. 誤り
アテローム形成の評価は腹部大動脈で行う。
アテローム形成の評価は腹部大動脈ではなく、頸動脈で行うのが一般的である。頸動脈エコーによる内膜中膜複合体厚(IMT)の測定が動脈硬化の評価に広く用いられている。粥状動脈硬化の好発部位は腹部大動脈・腸骨動脈が最多であるが、評価法としては頸動脈エコーが簡便で有用である。
ポイント
  • 動脈硬化は脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症の基盤病変となる。粥状動脈硬化が最も頻度が高い。
  • 血管の弾性は低下(亢進ではない)し、収縮期血圧上昇・脈圧増大をきたす。
  • HDLは善玉コレステロール(アテローム形成を抑制)、LDLは悪玉コレステロール(アテローム形成を促進)である。HDLは運動や少量の飲酒で増加する。
  • 重要用語: アテローム硬化, LDLコレステロール, HDLコレステロール, 頸動脈IMT を正確に理解しておくこと。
比較表
動脈硬化の種類 病変部位 特徴
粥状動脈硬化 内膜 最も頻度が高い。アテローム(脂質)が沈着
中膜石灰化硬化 中膜 中膜に石灰が沈着
細小動脈硬化 細動脈 高血圧に関連。細動脈壁が肥厚
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題57|動脈硬化症について最も適切なのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題57|動脈硬化症について最も適切なのはどれか。
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