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理由で解く 臨床医学各論

Q0868 整形外科疾患

出典:あマ指 第28回(2020) 問題73
問題
「58歳の男性。1か月前に転倒し、右肩を打撲して以来、夜間痛がある。左手で支えれば右肩は側方挙上できるが、支えなければ90度以上の挙上が困難である。」本症例で損傷の可能性が高いのはどれか。
選択肢
1 棘上筋
2 大円筋
3 上腕二頭筋
4 肩甲下筋
解答
正解1(棘上筋)
解説
✓ 1. 正しい
棘上筋
棘上筋は回旋筋腱板(ローテーターカフ)を構成する4筋の一つで、肩関節の外転に最も重要な役割を果たす。 棘上筋腱は肩峰下を通過するため機械的刺激を受けやすく、腱板損傷で最も頻度が高い。 自動的な側方挙上(外転)が90度以上困難であることは棘上筋の機能障害を直接反映しており、本症例に最も合致する。
✗ 2. 誤り
大円筋
大円筋は肩関節の内転・伸展・内旋に関与する筋であり、回旋筋腱板を構成しない。 側方挙上(外転)困難の主原因とはならない。
✗ 3. 誤り
上腕二頭筋
上腕二頭筋は主に肘関節の屈曲と前腕の回外に関与し、肩関節外転には直接的な役割が小さい。 腱板を構成せず、本症例の自動挙上困難の原因とは考えにくい。
✗ 4. 誤り
肩甲下筋
肩甲下筋は回旋筋腱板の一つだが、主に肩関節の内旋に関与する。 側方挙上(外転)困難の主原因は外転に関与する棘上筋の損傷であり、肩甲下筋単独損傷では本症例の所見を説明しにくい。
ポイント
  • 回旋筋腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4筋で構成され、腱板損傷では棘上筋が最も頻度が高い
  • 棘上筋は肩関節外転の起始に重要であり、損傷すると自動的な側方挙上が困難となるが他動的には挙上可能である
  • 大円筋は腱板を構成しない点、肩甲下筋は内旋に関与する点を区別して覚える
  • 重要用語: 回旋筋腱板, 棘上筋, 肩関節外転, 腱板損傷 を正確に理解しておくこと。
比較表
腱板構成筋 主な作用 損傷時の所見
棘上筋 外転 側方挙上困難(最多)
棘下筋 外旋 外旋筋力低下
小円筋 外旋 外旋筋力低下
肩甲下筋 内旋 内旋筋力低下
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題73|「58歳の男性。1か月前に転倒し、右肩を打撲して以来、夜間痛がある。左手で支えれば右肩は側方挙上できるが、支えなければ90度以上の挙上が困難である。」本症例で損傷の可能性が高いのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題73|「58歳の男性。1か月前に転倒し、右肩を打撲して以来、夜間痛がある。左手で支えれば右肩は側方挙上できるが、支えなければ90度以上の挙上が困難である。」本症例で損傷の可能性が高いのはどれか。
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